ココがすごい!プラシーズの塗布体付き容器

今回は、マスカラやリップグロスなどに使用される塗布体付き容器のお話です。プラシーズの塗布体付き容器には「中身を垂れさせない」、「中身で容器の口元を汚さない」、「中身の吹き出しを防止する」といった工夫が施されており、これを主に2つのパーツで実現しています。
シゴキゴム
1つ目の工夫はシゴキゴム、シゴキと呼ばれる容器の口元に挿入されているゴム部品です。先端のブラシやフロッキーチップに付きすぎてしまった中身の調節や、後ほど紹介する軸という部分に中身が付かないようにする役割を持っています。
1990年代以前はシゴキゴム部分に樹脂の成形品が主に使用されていましたが、流行とともに製品の種類が増えると、当時の成形品では対応ができない製品が出てきたため、現在はNBRという素材のゴムが採用されています。
シゴキゴムの設計
マスカラとリップグロスで中身が異なることはもちろん、同じマスカラでもファイバーが入っているものや、ラメが入っているものなどがあるため、容器ごとにシゴキゴムを変える訳ではなく、製品の中身に合ったシゴキゴムを設計する必要があります。
シゴキゴムを設計する上で、特に軸の太さ、先端部分の太さ、シゴキの内径、シゴキ内部の内径4か所の寸法が重要になるのですが、その4か所どこかがズレてしまうと不具合に繋がるため、慎重に設計しています。
スリット
塗布体付き容器は、軸に中身をつきにくくするため、シゴキゴムと軸の隙間を狭くしています。そのため、内圧がかかりやすい構造になっており、その内圧を減らすためにシゴキゴムにスリット(切れ込み)を入れる場合があります。
スリットが活躍するのは使用後に先端アプリケーターを容器に戻す時です。アプリケーターのブラシやフロッキーがシゴキゴムを通る際に発生する内圧を和らげ、キャップを閉める際、スリット部分から空気が抜けるため、中身の噴出を抑えることができます。
※中身の粘度や内容量によっては、スリットがなくても噴出しを抑えることができるため、すべてのシゴキゴムにスリットが入っている訳ではありません。
軸
2つ目の工夫は軸、ハケ軸と呼ばれる先端にブラシやフロッキーチップの付いたキャップから伸びる細い棒です。
プラシーズで製造している塗布体付き容器では、この軸の根元に工夫を施しています。
キャップに隠れた位置にそろばん玉のような突起があり、その下にくぼみが2か所あります。この突起と2つのくぼみ3か所が容器の機能性を高める大事なポイントです。
そろばん玉
先ほど説明したシゴキゴムの部分で、使用時や収納時に軸に付いた中身を落とすのですが、シゴキゴムに中身が少量溜まってしまいます。その際に活躍するのがそろばん玉になります。
そろばん玉はシゴキゴム内部の形に合わせて作られているため、キャップを閉めた際にシゴキゴムに溜まってしまった中身を下に落としてくれます。また、シゴキゴムとそろばん玉をぴったり嵌合することで、プラシーズの塗布体付き容器は気密を保たせています。
そろばん玉がない場合や、あったとしてもシゴキゴムの形状とぴったりと合っていなければ、中身がキャップの内側に付いてしまい、容器が汚れてしまう原因になります。
エアー抜き
2か所のくぼみはエアー抜きと呼ばれており、その名の通り空気を抜く役割を担っています。先述したように塗布体付き容器は内圧がかかりやすい構造のため、内圧がかかったままキャップを開けると勢いよく飛び出る可能性があります。シゴキゴムにスリッドが入っている場合は内圧を下げられますが、スリットが入っていないシゴキゴムでは、内圧がより強くかかってしまいます。
くぼみはシゴキゴムのスリットと違い、キャップを開ける際に活躍します。
キャップを開け、容器から軸を引き出す際にくぼみがないと、シゴキと軸が密着したまま引き上げられ、唯一の空気の出入口である口元に空気が集まり、キャップが飛び出る原因になってしまいます。
それを解決したのが2か所のくぼみです。くぼみがあることで空気が抜けやすくなり、根元に近いところであればあるほどすぐ空気を抜くことができるというわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は快適に使用できる塗布体付き容器を実現するための工夫をご紹介しました。プラシーズでは過去800種類以上の塗布体付き容器を設計・製造してきた経験から、外観的な工夫や製造する上での効率化などさまざまな改善にも注力しています。関連リンクにてご紹介していますのでぜひお読みください!
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