CASE STUDY07

中身があふれ出ない長寿命マスカラ容器。特殊な軸構造と中身の粘度で異なる設計ノウハウが肝!

中身があふれ出ない長寿命マスカラ容器。特殊な軸構造と中身の粘度で異なる設計ノウハウが肝!

これまで200社を超える化粧品メーカーと、800製品以上の製造を手がけてきた塗布体付き容器。化粧品容器を扱う商社が機能性で筆頭に選ぶという、その実力はお墨付きです。中身が固まったり、外にあふれ出てしまう、マスカラあるあるの弱点を克服する秘策とは?独自構造の開発秘話に迫ります!

~ココに注目!~
◉中身があふれ出ない軸構造をメーカーと共同開発
◉塗布体付き容器の製造実績は800製品以上
◉中身の粘度で異なる設計ノウハウと精度を出す技術が肝

—-お客さまからどのような依頼がありましたか?

中身が固まらない、中身が容器の外にあふれ出ない、機能性と高級感を兼ね備えたマスカラ容器の製造です。

開発に着手した2018年当時は、金属に樹脂パーツを組み合わせたマスカラ容器が主流でした。そのため、接続部分の目に見えないほどの隙間から中身がじわりじわりと入り込み、固まってしまうという弱点がありました。

また、キャップの内側に溜まった中身が本体ネジ部分に付着してしまい、キャップを閉めたときに中身が外にあふれ出てしまうという課題もありました。

開けるときに手に付いたり、カバンの中が汚れたり、延いては、ボトルの口でマスカラが固まってフタが閉まり切らなくなり、ただでさえ短いマスカラの寿命がさらに短命になってしまう…。そんな経験、女性なら一度はあるかと思います。

—-お客さまの要望を叶えるために、どのような課題がありましたか?

塗布体付き容器

接続部分の隙間問題については、樹脂素材一体でつくるご提案をしました。

キャップの内側に中身が溜まり、容器の外にあふれ出てしまう課題については、構造から見直す必要がありました。

塗布体付き容器の多くは、軸についた中身を削ぎ落とすために、本体にシゴキゴムがついています。そのシゴキゴムをキツくすれば、中身をきれいにシゴくことはできますが、キツくした分だけエアが溜まりやすくなり、ポンプ効果で中身が吹き出してしまう恐れが高まります。

軸を汚さず、かつ、ポンプ効果が起きないようにするにはどうしたらいいか?2つの課題を同時に解決できる構造をメーカーと共同で開発しました。

—-どのように解決しましたか?こだわった点について教えてください。

軸の根元に2つの工夫を施しました。

1つは、そろばん玉のような突起です。シゴキゴムの形状に合わせたそろばん玉をつけました。キャップの内側に溜まった中身を押し出す役割を果たしてくれます。

もう1つは、2本の溝です。中に溜まったエアを抜くためのくぼみを2箇所つくりました。キャップを開ける際に、空気が外に出ようと口元に集まり、ポンプ効果で中身ごと吹き出してしまう現象を防ぐためです。

課題である「軸を汚さず、空気を溜めない」ために、このそろばん玉と2本の溝が大きなポイントになっています。マスカラは液状からファイバー入りまで多種多様です。この構造はオールマイティに活用できます。

—-ほかにもこだわった点はありますか?

中身によって異なる、設計

中身によって異なる、設計です。構造のメリットを最大限に生かすために、設計にこそ当社のノウハウが詰まっています。

というのも、中身の溶剤の特性や粘度によって、同じ構造でも設計を変える必要があります。そろばん玉の位置をどこにするか、外径と内径の隙間を何ミリにするか。微細にわたる寸法設定のノウハウと、その精度を出す技術が重要になってきます。

化粧品メーカーさまと共同開発した軸構造は、あえて特許を取得していません。先ほどお話した通り、同じ構造でも中身の粘度で異なる寸法設定が極めて重要で、さらに高精度を出す技術が必要になります。

当社ではこれまで200社以上のお客さまと、800製品以上の塗布体付き容器の製造を手がけてきました。その都度、金型を起こして試作を重ね、この構造と設計にたどり着いたわけです。こうした経験値こそが肝となり、特許を超える価値があると思っています。

一流シェフが惜しみなくオリジナルレシピを公開するのは、同じレシピでも作り手によって同じ味が出せないからだと言います。私たちのものづくりへの思いも同様で、同じ構造でもこの塗布体付き容器はプラシーズにしかつくれないと自負しています。