ラメグラデーションに触れる~ラメについての豆知識も〜

ラメグラデーションに触れる~ラメについての豆知識も〜

皆さま、こんにちは。いつもブログをご覧頂きありがとうございます。開発部のOです。

デザインに欠かせないグラデーション・・・略して「グラデ」。
色んなところで使えるのでついつい言いがちな便利な言葉です。

グラデーションとは、1つの図の中で見た目に関する項目が連続で変化する表現のことです。変化するのは見た目だったり色など様々です。
今回はグラデーションの中でもあまり注目して見ることが少ないラメグラデーションについて紹介したいと思います。

始めにラメグラデーションに使われるラメの説明から見ていきましょう。

オリジナル容器のリードタイム短縮

ラメについて

ラメについて

ラメは金属の表面のような、光を反射して強い光沢を放つ材料のことを言います。
しかし、元々は織物の金銀糸を表す言葉だった歴史があります。昨今どちらの意味でもラメという言葉が使われる為、混同を避ける場合にはラメ剤と呼ぶことがあります。
ラメはミクロンからミリメートルまでの大きさがあって、丸や角型など多くの形を作ることができます。
次はラメの作り方について見ていきましょう。

意外なラメの作り方

金属表面のような光沢を出すには金属を使わなければ作れない・・・ということはなく、金属を使わずにラメを作ることもできます。

金属を使わないラメ

樹脂の中でも屈折率が違うプラスチックフィルムを積層させることで作る事ができます。光を通した時に異なる樹脂層の間で反射した結果、見えるのが金属のような光沢になります。

金属を使うラメ

PETにアルミを蒸着で付けてから樹脂で被覆することでアルミを保護しつつ、金属光沢を出す作り方です。

ラメに似ているグリッター

ラメという言葉を付ける定義自体は明確になっておらず、光沢をもつ、キラキラしているものをラメと付けることができます。定義が明確でないということは似たものが出やすく、グリッターという類似したものがあります。
グリッターもラメ同様に明確な定義がなく、キラキラしているものならば何にでも付けることが可能です。

ラメグラデーションとは

ラメグラデーションとは

ラメグラデーションはラメの濃淡を表現するものです。

分かりやすい例としましては、ジェルネイルなどで、爪の先端または根元に向かってラメの濃度が段階的に変化していくことをラメグラデーションといいます。

ラメグラデーションを表現できる化粧品はネイル関係が非常に多いです。ネット検索でも上から下まで殆どネイルが占めています。何故、ラメグラデーションはネイルに多く使われるのか見ていきましょう。

ラメグラデーションの作り方【ネイル編】

ラメグラデーションの作り方【ネイル編】

やり方自体は複数ありますが簡単に説明すると下記の順番になります。

  1. ベースジェルの塗布
  2. ベースカラーの塗布
  3. ラメをクリアジェルと混ぜて爪先のある程度の範囲に薄く塗り、硬化
  4. 3.の工程を範囲を縮めながら繰り返して、好みのラメグラデーションとなったらトップ ジェルを塗って完成

このように何度も重ねて塗るため、手間と時間がかかってしまいます。ですので、ネイル以外の化粧品でラメグラデーションを完成させるのは難しく、ネイルで使われる事が多いです。

化粧品が難しいならパッケージは?

紙箱などパッケージではどうなのかというと、パッケージでもラメグラデーションを上手く表現したケースはあまりありません。
何故かというと、ネイルと違ってラメグラデーションを作るのは生産者側のため、ネイルのように何度も重ねて塗る手法にすると下記のようなことが起こります。

  • 作業時間の増加
  • 工程コストの上昇
  • 製品ごとのムラが出やすくなる

この厳しい条件を乗り越えるには重ねて塗るという手法から離れて考える必要があります。
解決策となった方法は2つあり、どちらにもある印刷方法が関わっていました。それはシルク印刷です。

パッケージへのラメグラデーションを可能にしたシルク印刷

パッケージへのラメグラデーションを可能にしたシルク印刷

まず、シルク印刷についての紹介をします。
シルク印刷というのは孔版を使った印刷方法の一種で、一か所に穴の空いた版にインクを乗せた状態で上から押すと穴の形にインクが製品に転写される方法です。

何故、シルク印刷と呼ぶかといいますと、印刷版を作製する際にシルク(絹)で作られていたことに由来しています。印刷版はスクリーンと呼ぶためシルクスクリーン印刷と呼ぶこともあります。

スクリーンに空いている穴は一か所ですが網目状になっていて、網目の大きさを変えることで転写するインクの範囲を制御することができます。

シルク印刷について更に詳しく解説した記事がこちらです。
容器を美しく加飾!プラシーズの取り組み ~印刷編~ – 株式会社プラシーズ (pluseeds.co.jp)

ラメグラデーションの作り方【パッケージ編①】

ラメグラデーションを表現するのに使用するインクはメジウムと呼ばれる透明なインクで、ラメを混ぜこむことで前準備は完了です。

次に、スクリーンの網目を押し始めから押し終わりに向かって徐々に大きくしていきます。すると、押し始めはラメの量も少なく、押し終わりに向かうとラメの量が増加していってラメグラデーションができます。

ラメグラデーションの作り方【パッケージ編②】

ラメグラデーションの作り方(パッケージ編)

こちらはメジウムではなく、接着剤のみを乗せて製品に転写することから始まります。グラデーションになるように接着剤が乗っている製品をコンベアに流して、ラメを満遍なくまぶします。接着剤が付いているところだけにラメが付いて、ラメグラデーションができます。

ここで豆知識をひとつ、クリスマスの時期で使われるオーナメントなど表面がザラザラしているラメ付きの装飾はラメを上からまぶして作られていることが多いです。

ラメグラデーションパッケージのメリット・デメリット

シルク印刷を利用したラメグラデーションがあるのにも関わらず、何故世の中に出回っていないのか、メリット・デメリットの観点から見ていきましょう。

メリット

  • 数少ない重ねて塗る以外の手法で工程コストが少ない
  • ラメグラデーションの出来栄えも良い
  • 様々な形に対応可能

デメリット

  • 通常のシルク印刷よりスクリーンが目詰まりを起こしやすい
  • 重ねて塗る場合と比べて、ラメが剥がれやすい
  • まぶす方法は接着剤が乾かないうちにラメを付けないといけない

メリットは、形を選ばない自由度の高いラメグラデーションをパッケージに付けることが可能になったことと、作業コストを抑えることが可能になったことです。

デメリットは、生産中・生産後に問題が発生しやすくなったことです。生産中に関しては作業手順の適正化や目詰まり解消のための掃除を入れるタイミングを決めれば問題解消できます。

しかし、ラメが重ねて塗る場合より剥がれやすいとなるとクレームに繋がりやすいため、求められる品質は厳しくなります。

以上の点から今日までラメグラデーションが付いてるパッケージが殆どない理由になっています。

プラシーズならラメグラデーションができる?

プラシーズではパッケージ・容器と様々な形の製品で加飾を行ってきました。現時点ではラメグラデーションを付けた実績はありませんが、これまでに培ってきた技術やノウハウを元に試作を通じてラメグラデーションを付ける技術を確立させ、お客様のご要望にお応えいたします。

プラシーズは様々な課題や難易度の高い成形や加飾を実現してきた歴史があります。詳しく知りたい方はこちらから。
事例紹介 – 株式会社プラシーズ (pluseeds.co.jp)

終わりに

いかがでしたでしょうか。この記事でラメグラデーションについて、興味を持って頂けたら幸いです。
容器の加飾に関するお困りごとや、ご相談などございましたら、弊社お問い合わせフォームよりご気軽にお問い合わせください。

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