CASE STUDY39
金型不要!繊細なレリーフ模様を空押し加工で表現。新製品や限定品の生産を低コストで実現
キャップに小花のレリーフをあしらったアイライナー。金型彫刻を使わずに、「空押し」という2次加工で、繊細なレリーフ模様を表現しています。
コストを抑えられるメリットがある反面、高度な技術が求められる空押し加工。他社では対応が難しく、プラシーズに白羽の矢が立つと、わずか数ヶ月で不良率を7割から2割以下に抑えることに成功したのです。
品質を安定化するために苦労した点や、空押し加工のメリットについて話を聞きました。
空押し加工で繊細なレリーフ模様を表現したい
—-お客さまからどのような依頼がありましたか?
アイライナーのキャップに施された彫刻加工です。もともと他社が請け負っていた案件を、プラシーズが引き受けることになったんです。
こうした繊細かつ複雑な彫刻加工をする場合、金型そのものに模様を刻んで成形するケースが多いのですが、今回は「空押し」といって、キャップに刻印を押し当てることで、表面に凹凸をつける加工方法を採用していました。
しかし、不良率が7割を超え、納品期限も迫るなか、空押し加工の実績があった当社にお声がかかったというわけです。
開発した専用治具に改良を重ね、品質の安定化に成功
—-もっとも苦労したのはどんなところでしたか?創意工夫した点を教えてください。
一番大変だったのは、レリーフ模様が繊細かつ複雑で、細い線と太い線が入り混じっていたことです。細い線を基準にして圧力をかけると、太い線の食い込みが強くなり、ボテッとした仕上がりになってしまう。逆もまた然りです。
さらに難度を高めたのが、手で持ちやすくするために、キャップの形状に勾配がついていたことです。通常、空押し加工はキャップを回転させながら刻印していくのですが、今回は勾配がついているので、真っ直ぐ転がらない。3次元曲面に2次元的に圧力をかけなければならない難しさがありました。
刻印については、刻印の熱が下がりづらい形状や高さ、製品に食い込みやすい刃の角度など、さまざまな角度から検討を重ねました。
また、空押し加工では、製品にかかる荷重が均一になるように、専用の治具を開発。製品の内側に治具を設置するも、刻印のプレス圧力に耐えられず、失敗に終わりました。そこで、下受け治具を追加しましたが、今度は圧力が不均等に。最終的には、下受け治具の角度を調整できるように改造し、圧力を均一化させることに成功しました。
こうして着手から数ヶ月後には、5割を超えていた不良率を2割まで下げることができたんです。その後もさらにトライアンドエラーを繰り返し、不良がほとんど出なくなるまでに品質が安定。品質に厳しいお客さまにもご満足いただき、このプロジェクトの成功を機に、空押し加工製品の追加注文をいただくことができました。
金型彫刻の約半分のコストで実現できる
—-空押し加工のメリットについて教えてください。
一番のメリットは、コスト面です。金型に彫刻するケースと比べて、コストを約半分にすることができます。仕上がりのクオリティはほぼ変わらないと言っていいでしょう。
インパクトのあるデザインで差別化したい新製品や限定品に最適
—-今後の課題や展開についてお聞かせください。
当社の空押し加工技術を広く知ってもらうために、社名を刻印したサンプルを作って、各メーカーさまにプレゼンテーションを行っていきます。金型不要で初期投資が抑えられるため、予算獲得が難しい新製品をはじめ、限定品や雑誌の付録品などの小ロット生産にも最適です。
今後もプラシーズでは、他社では手に負えないものづくりに果敢に挑戦していきます。その機動力は、週1回の改善会議で育まれていると思っています。現場で発生した課題に対して、これまでの経験や知見をもとに解決策を考え、確実に実行していく。プラシーズの技術者たちは日々、新しい挑戦を続けています。
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