豪華に魅せる!蒔絵(まきえ)シールの貼り方~手軽に伝統工芸の質感を~

皆さんは、目を引くデザインと言えばどのようなものを思い浮かべるでしょうか。
派手なものであったり、面白そうなもの、綺麗なものなど・・・加飾をする方法には様々なものがあります。
今回は、手軽に豪華な加飾をする手法の一つとして「蒔絵シール」についてお話していきたいと思います。
プロも使っている!蒔絵シールの使用実績
蒔絵シールとは、日本の伝統工芸である「蒔絵」特有の高級感のある金属光沢と「高蒔絵」と呼ばれる立体感のある蒔絵を再現したシールの事です。
実際に蒔絵をするとなると、時間や費用に加えて職人レベルの技術が必要となります。
そこで蒔絵シールを使用することで、誰でも簡単に蒔絵のような模様や質感を楽しむことが出来ます。
今回はプラシーズの実績品を例に、蒔絵シールの特徴や実際の製品に貼られる手順まで解説していきたいと思います。
蒔絵シールを用いた製品「アヴァンセ シピエ パレット」
PALETTE(パレット)|PRODUCTS|CHIPIE -シピエ- (avance-chipie.jp)
こちらの製品は、メイクブランドの AVANCE (アヴァンセ)様から販売されているAVANCE CHIPIE(アヴァンセ シピエ)のカスタマイズパレットです。
必要なものだけをセットできるセミオーダー仕様の特別なパレットで、S・M・L・ワイドと幅広いサイズから用途に合わせて自分だけのパレットをつくれることが特徴です。
ユーザー様からも「高級感があって良い」といった口コミを頂いており、蒔絵シールの強みが発揮された製品になっております。
蒔絵シールと聞くと「和」のイメージが強くなりがちですが、手紙に封をするシーリングワックスのように西欧風のデザインを表現するなど、表現の幅が多種多様なのも蒔絵シールの魅力です。
蒔絵シールの貼り方
蒔絵シールには転写式が広く採用されており、「剥離紙」「蒔絵シール本体」「透明フィルム」の3層で構成されています。
ここからは、実際にプラシーズの製品に蒔絵シールを採用して生産した際の貼り方や、注意点などを説明したいと思います。
事前準備として、貼る面が綺麗になっていることを確認します。
表面に異物があると、剥がれたり見栄えが悪くなったりする原因になります。貼りたいところの表面が汚れている場合は埃や汚れ、油分、水分をしっかりと拭き取りましょう。
1.剥離紙を剥がす
剥離紙を4分の1程度めくり、めくった剥離紙を折り曲げます。
プラシーズで量産をする際には、シール貼り治具を作製し、製品ごとの位置ズレが無いようにしています。
2.貼り付ける
透明フィルムの4分の1部分を先につけて位置を確定させます。その後、シワや気泡ができないように、残った剥離紙を剥がしながら貼りつけていきます
透明フィルムを貼れたら、接着面と製品面を密着させるために上からしっかりとこすります。
この工程を怠ると、蒔絵シールが上手く貼られていなかったり、後々剥がれたりします。
3.フィルムを剥がす
圧着が終わったら、密着を確認しながら透明フィルムをゆっくりと剥がします。
このとき一気に剥がしてしまうと、蒔絵シールがちぎれたり剥がれたりしてしまうので、ゆっくりと剥がしていきます。
ここで、しっかりと密着していなければ、透明フィルムを貼り付けなおして再度圧着します。
完全に透明フィルムを剥がし終わったら蒔絵シールを軽く押して、密着の最終確認をします。
蒔絵シールの特徴
実際の製品にも使用される蒔絵シールですが、他の加飾方法と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。使用時の注意点も含めて、ご紹介いたします。
蒔絵シールのメリット
蒔絵シールは通常のシールや蒔絵と比べてどんな特徴があるのでしょうか。
特徴的な機能やポイントを紹介いたします。
- 自社一貫生産によりワンストップ・トータルパッケージでご対応
- 理想の容器のための独創的な「企画・提案力」
- 1932年創業だからこそできる技術力であらゆるニーズに対応可能
・低コストで美しい模様を加飾できる
蒔絵シールは、実際に蒔絵をするよりも時間と費用を大幅に削減し、蒔絵の美しさを楽しむことが出来るシールです。
・立体的で、蒔絵に近い質感
普通のシールとは違い立体感を表現できます。高蒔絵のように立体的な仕上がりにすることが可能で、蒔絵特有の高級感や雰囲気を楽しむことが出来ます。
・様々な条件で使用できる
一般的に蒔絵は、漆器に用いられます。対して、蒔絵シールはスマートフォンや小物入れ、バイクのヘルメットなど様々なものに手軽に貼ることができます。
・はがれにくい
密着性が高いため剥がれにくく、水に強いため食器などにも使うことが出来ます。
また、化粧品容器のような「美しさ」と「耐久性」が求められる製品にも蒔絵シールは最適です。
蒔絵シールを扱う際の注意点
蒔絵シールは簡単に使うことが出来ますが、注意しなければならないポイントもあります。
・高温には適さない
やかんや鍋など、高温になるものには貼らないでください。熱によって溶けてしまいます。
・電子レンジはNG
金粉を使用しているので、電子レンジには絶対に入れてはいけません。
金属は電子レンジの出すマイクロ波と反応し、電子レンジ内で火花を散らします。発煙・発火につながる場合もあるため、電子レンジはNGとなっております。
・貼り直しはできない
蒔絵シールは気密性が高い反面、接着力が強いという特徴があります。
貼り直そうと思っても剥がれにくく、剥がれても絵柄や文字がボロボロになってしまうこともあります。貼り付ける際は、ずれないように注意して貼りましょう。
日本の伝統工芸である蒔絵
最後に本物の蒔絵についてご紹介します。
蒔絵とは漆と金属粉を用いた漆器で、日本の伝統工芸です。
漆器の表面に絵や文様、文字などを漆で描き、漆が乾かないうちに金や銀などの金属粉を「蒔く」ことで絵を浮かべることから「蒔絵」と呼ばれています。
蒔絵は表現の自由度が高く、繊細な文様や文字を幅広く表現できることが特徴です。
蒔絵の主な技法
蒔絵は工程上の分類として大きく分けると「平蒔絵」「研出蒔絵」「高蒔絵」の3つの技法に分類されます。
これに加えて「肉合研出蒔絵」という、「研出蒔絵」と「高蒔絵」を組み合わせた技法を含めた4つの技法が代表的な蒔絵の技法となります。
・平蒔絵(ひらまきえ)
一般的に蒔絵というと平蒔絵のことを指します。
漆で絵と文様を描き、乾かないうちに「平目粉」と呼ばれる金属粉や、色のついた粉などを蒔絵用の筆で蒔きつけます。乾燥後に文様の部分のみに文様を保護するための漆をつけ、平らに磨くことが特徴です。
・高蒔絵(たかまきえ)
蒔絵部分の下地を盛り上げて蒔絵をしたもので、絵や文様を立体的に見せることが出来ます。
景観を描いて遠近を表現したり、蒔絵の表現に動きを出せることが特徴です。
・研出蒔絵(とぎだしまきえ)
平蒔絵を施した後、さらに器全体に漆を塗り、乾いた後に絵や文様の部分を研ぎ出す手法です。
漆の奥にある蒔絵をうっすらと浮かび上がらせ、おぼろげで優しい印象の蒔絵を表現することが出来ます。
・肉合研出蒔絵(ししあいとぎだしまきえ)
高蒔絵の工程で文様を盛り上げた後に、研出蒔絵のように漆を塗って研ぎだす方法です。立体的に見える部分と平らな部分とのコントラストから、表現の幅がさらに広がるため最も豪華に魅せられる仕上がりになります。
以上の4つが主な蒔絵の技法です。
近年では蒔絵も大量生産が行われるようになりました。
近代蒔絵といってシルクスクリーン印刷やパッド印刷で蒔絵の風合いを表現する技法で、効率よく量産することが可能です。
しかし、蒔絵で最も目を引くポイントである金属粉を蒔く工程は現在でも職人の手作業で行われています。
▽シルクスクリーン印刷やパッド印刷についてはこちらで詳しく解説しております。
容器を美しく加飾!プラシーズの取り組み ~印刷編~ – 株式会社プラシーズ (pluseeds.co.jp)
おわりに
蒔絵シールは日本の伝統工芸品の美しさを表現するだけでなく、手軽に様々なものへ使えることをご紹介しました。
蒔絵シールは他にもたくさん種類があり、シンプルな製品にも高級感と華やかさを持たせることが出来ます。
プラシーズの技術なら、蒔絵シールを化粧品容器へ加飾することが可能です。
蒔絵と比べて安価でありながら、短いリードタイムで伝統工芸品のような美しい加飾を表現できます。
蒔絵シールによる加飾について、さらに詳しく知りたい方は「お問い合わせフォーム」または「お電話」よりご連絡ください。
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