効果はあった?レジ袋の有料化と環境への意識

効果はあった?レジ袋の有料化と環境への意識

こんにちは、プラシーズです。
2020年7月1日より始まったレジ袋の有料化から早くも3年半が過ぎました。
それまで当たり前のように無料でもらっていたレジ袋、皆様現在はどうしていますか?

オリジナル容器のリードタイム短縮

レジ袋が有料化した理由

なんとなく環境の為や、プラスチックの使用量を減らす為というのはご存じだと思うのですが、レジ袋は、日本のプラスチック廃棄量のわずか2%しか占めていません。それなのになぜ有料化になったのでしょう。

環境への意識づけ

日本のプラスチック廃棄量の内2%であれば、レジ袋を有料化してまで規制する必要があるとはなかなか思えません。

日本政府の考えとしては、レジ袋の使用量を減らすという目的もあるのですが、それよりも、プラスチックの使用量を減らそうという、意識づけをするために、レジ袋の有料化を定めました。以下総務省のコメントです。
「今般のレジ袋有料化の真の目的は、レジ袋を有料化することではなく、そのレジ袋の有料化をきっかけに(レジ袋以外のものも含めて)使い捨てプラスチックに頼った国民のライフスタイル変革を促していくことである。国民の皆様にはこの制度趣旨を是非御理解いただき、不必要な使い捨てプラスチックの削減の御協力をお願いしたい。」
総務省『レジ袋有料化について』より引用

有料化したことによる実績

レジ袋の使用量は有料化前と比較して減ったのでしょうか。

レジ袋の辞退率大幅アップ

レジ袋の辞退率は、2007年以前は10%前後だったのですが、2008年あたりから上昇していき2014年には50%まで上昇しました。そこから有料化になる前の2020年まで、横ばいが続いていたのですが、有料化になった翌年2021年には75%を超え、昨年2023年には80%に達しています。

消費者の意識の変化

世論調査では下記図をみると、有料化するまでは、マイバッグやマイボトルの持参など、具体的に行動をしていた人は20%弱しかいなかったのですが、有料化後には60%近くの人が環境対応への意識や関心が高まり、具体的に行動をとっていると回答し、合計で80%近くの人が環境の事を考え、具体的に行動をしています。

また、男女別でみると、女性の方が男性と比べ、環境への意識が高まっていることがわかります。買い物の頻度などで差がついてしまっている可能性はあると思いますが、マイバッグの持参以外でもできることはあると思うので、今後男性の伸び率に期待ですね。

レジ袋代はどこへ?

今まで、売上に計上されていなかったレジ袋ですが、レジ袋代はどのように使われているのか、疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。

各社取り組み

レジ袋代は、環境税の一部等ではないので、国から企業へ、どこどこに使いなさいという規定はありません。しかし、ただただその企業の売上の一部となってしまうのもどうなの?と思ってしまいます。そこで各企業の取り組みを見ていきたいと思います。

A社(コンビニエンスストア)

A社では、レジ袋の収益を、各店舗へ設置するペットボトルの回収機の費用や、事業の一環で行っている環境市民団体への支援活動、自然環境保護・保全、災害復興支援などへ寄付をしています。

ペットボトルの回収機

B社(コンビニエンスストア)

B社では、おにぎりに使用されているお米を、一般社団法人全国フードバンク推進協議会に寄贈しています。

おにぎりに使用されているお米

C社(スーパーマーケット)

地域の自治体や団体に寄付し、森林整備や木製のプランターに活用し、環境保全活動に役立てています。

森林整備

有料化対象外のレジ袋

レジ袋が有料になってからも、稀に無料でレジ袋をもらえたという経験はありませんか?
実は、有料にならないレジ袋も存在しています。

有料となったレジ袋というのは、消費者が購入した商品を持ち運ぶための持ち手のついたプラスチック製レジ袋と定められています。

対象外の3つの基準

消費者が購入した、商品を持ち運ぶための持ち手のついたプラスチック製レジ袋であったとしても、有料にしなくてもよいレジ袋があり、3つの基準で定められています。

プラスチック製の厚い袋

フィルムの厚さが、50マイクロメートル以上のプラスチック製のレジ袋は、繰り返し使用することが可能なため、有料化の対象外になっています。

海洋生分解性プラスチックの配合率が100%の袋

海洋生分解性プラスチックというのは、海洋環境下で微生物の酵素などによって代謝され、自然界へ循環する性質を持つプラスチックのことを指します。海洋生分解性プラスチック100%であれば、海へ流れついてしまっても分解されることから、有料化の対象外になっています。

海洋生分解性プラスチックというのは、まだ価格が高く、無料で配布するとなると企業側の負担が大きいので採用は難しいと言われています。

バイオマス素材の配合率が25%以上の袋

バイオマス素材がレジ袋の総重量の25%以上であれば、有限な材料である石油の使用量を抑える事ができ、焼却する際に二酸化炭素の排出量を抑える事ができるので、有料化の対象外になっています。

現在バイオマス素材が25%以上となっていますが、今後30%以上など引き上げられる可能性があります。

有料となるかの目安

上記のように定められていますが、有料なのか無料なのか判断しづらいレジ袋もあります。目安として挙げられているのは、プラスチック製か否か、商品を入れる袋か否か、持ち手があるか否かです。

プラスチック製かどうか

そもそもプラスチック製でなければ有料の対象とならないので紙袋は無料で提供することができます。しかし、紙袋はプラスチック製の袋と比べ、価格が高いので、有料で提供しているお店がほとんどです。

紙袋

商品を入れる袋かどうか

商品ではないものを入れるための袋は無料になります。例として、UFOキャッチャーの景品を入れるために置いてある袋は、商品ではないため有料の対象にはなりません。また、洋服をクリーニングに出した際に、袋に包まれて帰ってきてくれると思いますが、あの袋も商品を入れるという扱いにならないため、有料にはなりません。

商品を入れる袋かどうか

持ち手があるかどうか

持ち手の判断というのは形で判断され、上部に小判型で穴のあいている袋や、巾着状の口を絞って閉じる紐が持ち手として利用可能な袋は、有料となります。一方で、スーパー等の荷物を詰める台に、ロールで設置されている野菜や豆腐などをいれる袋は、無料です。

持ち手があるかどうか

レジ袋が有料化したことによる弊害

レジ袋の有料化は実は良い事だけではありません。

広告としてのレジ袋

商品を入れる袋だけ、としてみる分にはいいのですが、レジ袋に色が付いていたり、ロゴが入っていたりと、ブランドイメージを広めるための戦略としても使っていた企業があります。

そのような企業では、宣伝できる場所が減ってしまう事や、無料で渡せる袋へ切り替えたとしても、袋の仕入れ金額が高くなってしまい、コストがかかってしまいます。

万引きの増加

意外なところで万引きが増えるという調査報告も出ています。レジ袋をもらわないということは、マイバックを持参する人が増えます。

商品の代金を支払う前から袋を持っていると、商品を隠せる場所が増えてしまい、万引きの増加につながってしまうということです。

ゴミ袋としてのレジ袋

レジ袋を家庭内でゴミ袋として使っている方、使っていた方は多いと思います。
気軽にもらえていたレジ袋がそうでなくなってしまい、袋だけを100円ショップなどで買われる方が増えています。

コンビニやスーパーではレジ袋をもらわないけれど、結局レジ袋を使ってしまっているということになります。

コンビニでのレジ袋代は3円ほどですが、100円ショップですとサイズによって値段が変わり、1枚当たり2円以下になる袋もあります。

最後に

このブログを読んでくださったあなたはスーパーやコンビニでレジ袋をもらいますか?ちなみにですが、筆者はもらってしまう時もあります。

お昼ご飯に、コンビニでご飯を買った際によくもらうのですが、食べ終わったあとのゴミを会社のゴミ箱にいれた時に、袋に入れていないと臭いが漏れてしまい、迷惑がかかってしまうような気がして・・・。

良くないと思いつつも、やはりもらってしまうのですが、お弁当をつくる頻度を増やしたりして、少しでもプラスチックごみの削減に貢献していきたいと思います。

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