いまさら聞けない!容器の分別に役立つ「プラマーク」
いかがお過ごしでしょうか。プラシーズ開発部のKです。
プラスチック容器は、私たちの生活に必要不可欠で数多くの種類があります。
今回ご紹介する「プラマーク」は、そんなプラスチック容器を分別する際にとても大切な役割を果たしているマークなんです。
プラマークの意味を理解して、あなたもサステナブルに貢献してみましょう!
プラマークってどんなもの?
プラマークには以下のような定義づけがされています。
『プラマークとは 飲料、種類、特定調味料用PETボトルを除くプラスチック製容器包装に義務付けられた「識別マーク」です。』
出典:プラ推進協
ここでいう識別マークとは、「資源有効利用促進法」という法律によって指定容器に定められたものです。
その中でも、プラスチック製容器包装に表示するものが「プラマーク」と呼ばれています。
プラマークは識別マークの中の一種
「資源有効利用促進法」で指定表示製品になっている容器包装にはプラスチック製包装容器意外にも、紙・PET・スチール・アルミ等の材質があります。それぞれのマークの表示が義務付けられており、これを「識別マーク」と言います。
同じプラスチックでも、通常の包装容器と飲料用のPETボトルではリサイクルの方法が異なりますが、一般の消費者から見れば同じプラスチックです。
同様に、スチール缶やアルミ缶も同じ金属ですし、段ボールや牛乳パックも同じ紙資源だと判断できてしまいます。
これらの材料を見分けて適切に分別をするためには、ある程度の知識が必要になってきます。
リサイクルするたびに注意を払う必要があっては、取り組む人も多くなりませんよね。
そこで、マークを見るだけで分別方法を誰でも判断できるようにしたものがプラマークなどの「識別マーク」となるのです。
プラマークのアルファベットはどんな意味?
プラマークのついた容器をよく見ると、アルファベットの文字が書かれているのに気が付くかもしれません。
この情報は容器を構成する部品に使われているプラスチックの種類で、これもまた分別のために表記することが推奨されています。ただし表示義務は無く、任意での表示になります。
このアルファベットは、日本産業規格のJIS K 6899-12000(ISO 1043-11997)に準拠したプラスチックの種類を表しており、例として以下のように対応しています。
・PP (ポリプロピレン)
特徴:軽量で耐熱温度も高く成形しやすい
用途:注射器やレジ袋など
・PE (ポリエチレン)
特徴:耐薬品性や耐寒性に優れている
用途:シャンプーボトルや灯油タンクなど
・ABS (アクリロニトリルブタジエンスチレン)
特徴:衝撃に強い樹脂で変形しにくい
用途:食器やアタッシュケースなど
・EVOH (エチレンビニルアルコール)
特徴:酸素や水蒸気など気体を通しにくい
用途:食品の包装フィルムや薬品容器など
・SAN (スチレンアクリロニトリル)
特徴:表面が傷つきにくく、透明性に優れている
用途:化粧品容器全般及びライターなど
プラマークの歴史
分別のためにつくられたプラマークですが、いつ頃からプラスチック容器に表示されるようになったのでしょうか。
過去のデータをさかのぼると、2001年4月からプラマークが発行されていることがわかります。
プラマーク発行には、「資源有効利用促進法」に加えて「容器包装リサイクル法」という法律も関わっていました。
「容器包装リサイクル法」の目的は、事業者に対するプラスチック容器の再商品化義務です。ここでいう事業者とは容器の製造・加工・販売を行う業者のことで、製造を発注したメーカーも含まれます。
このような事業者がプラマークを付けるようになったことで、消費者がプラスチック資源の分別・リサイクルがしやすくなったわけですね。
プラマークの前身「SPIコード」
プラマークが表示されるようになる2001年4月よりも前には、プラスチック容器はこちらのような「SPIコード」で材質が表示されていました。
このSPIコードは1989年に米国プラスチック協会によって制定されました。
プラマークとの違いは、材質別に数字が割り当てられているところです。当時はこの数字によってプラスチックの種類を判断していました。
各番号の材質はそれぞれ以下の通りです。
1 PETE・・・ポリエチレンテレフタラート
2 HDPE・・・高密度ポリエチレン
3 V・・・塩化ビニル
4 LDPE・・・低密度ポリエチレン
5 PP・・・ポリプロピレン
6 PS・・・ポリスチレン
7 OTHER・・・複合材、その他(紙、金属等)
現在の日本では、1番のポリエチレンテレフタラートしか使われておらず、表記もPETEから日本産業規格に合わせたPETに変わっています。
SPIコードがプラマークに変わった背景として、日本製の容器に求められる品質が高いことが関係しています。
日本では品質の高い製品をつくるため、耐久性や用途に適した特性を持つプラスチック容器を求めています。このような品質を単一のプラスチックで実現するのは難しく、複合材料を使用することが増加しました。
複合材料は従来のSPIコードだと表記・区別がしにくいため、プラマークを導入することで、よりわかりやすい表示になったという背景があります。
プラマークはどのように製品に表示する?
プラスチック容器にはプラマークを表示する義務がありますが、その表示方法にも種類があります。
プラマークの表示方法
プラマークの表示方法は「容器そのものに刻印」する方法と、「容器の加飾(印刷、ラベルなど)で表示する」という2通りの方法があります。
容器の用途によって表示方法は決定され、化粧品に使われるプラスチック容器では、容器そのもののデザイン性を崩さないようにラベルや印刷でプラマークを表示することが多いです。
また、プラマークは容器または包装の表面に「1箇所以上」に表示する必要があります。
プラマーク表示のルール
プラマークのロゴには、表示上のルールがあります。
基本的には冒頭に紹介したプラマークのデザインであることが必要ですが、はっきりと識別可能な範囲であれば、装飾や変更は可能とされています。
表示サイズについて、消費者に見やすい表示として大きさの下限が定められており、プラマークロゴの一辺の長さは以下の通りとなっています。
印刷とラベル・・・6mm以上
刻印・・・8mm以上
「多重容器包装」の場合
容器が2個以上の分離可能な部品で構成されるものや、化粧品のように外箱の中に容器が入っているものはどうなるのでしょうか。
このような場合、容器のパーツは「構成部分」とされ、ひとつひとつが容器包装とみなされます。また、容器包装が重なったものは「多重容器包装」と呼ばれます。
プラマークは可能であれば各構成部分に表示するのが望ましいとされていますが、多重容器包装の構成部品の数が多く、分別が困難になることもあります。
そこで、構成部分同士が同時にリサイクルできるものであれば、まとめて1つの構成部分に一括表示することが可能になるという決まりがあります。一括表示をする場合は、構成部分の名称をプラマークに併記することが求められます。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
普段の生活で何気なく見ているプラマークにも様々な歴史があったことがわかりましたね。
最後にプラマークについてのポイントを抑えましょう。
1.プラマークは飲料や酒類、特定調味料用のPETボトルを除いたプラスチック製の容器
包装に付けるマーク
2.プラマークには包装容器の部品名と、部品の材質が表示されている
3.複合素材でも下線が引いてあるものが主な材質
識別マークの加飾や、正しい表示方法など、お困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。
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