プラシーズの紙器サンプル品ができるまで

プラシーズの紙器サンプル品ができるまで

プラシーズでは、まずサンプルを作成してから量産に取り組むことになります。
事前に製品の仕上がりや形状を確認するためにサンプル作成は重要な工程なのですが、このサンプルを「つくる流れ」については意外と知られていません。
ということで今回は、プラシーズが紙器のサンプル品をつくる工程をご紹介したいと思います。

オリジナル容器のリードタイム短縮

紙器とサンプルって何?

プラシーズでは、どのような紙を使いサンプルを作成しているのでしょうか。
まずは、紙器についてご紹介します。

環境に優しい紙器って何?

紙器とは、紙で作られた容器のことを指します。
紙器の材料になる紙は、主に木材から作られており、環境に優しいことが特徴的です。
プラシーズでは、サンプルを作るときに以下のような紙を使用しております。

  • ボール紙‥板のように硬い。貼り箱等の芯材となり、箱の形を構成する。
  • 厚紙‥普通紙に比べて厚く、折り箱等の紙器に使用する。
  • 貼り紙‥ボール紙の上に貼る材料として使用する。

紙を作る際には、広葉樹や針葉樹を細かく砕いてチップ状にします。このチップを水と薬品で煮ることで、パルプと呼ばれる水分を多く含んだ繊維を作ることができます。このパルプが紙の原料となります。
パルプは、ローラーで引き伸ばしながら乾燥させることで、長い筒状に巻き取られ、紙となります。

▽環境に優しい紙については、こちらの記事でさらに詳しく解説しております。
紙とリサイクル

サンプルって何?

紙製コンパクト

一般的にサンプルとは、見本、標本、試供品など多くの意味があります。
ものづくりを行う製造業の場合、サンプルとは本格的に製品を量産する前の試作品を指します。
このサンプルを、社内やお客様との間で確認することで製品に問題がないか最終的なチェックをします。

プラシーズがつくる紙器の種類

具体的な紙器の種類として、下記のようなプラシーズの試作品や実績品がございます。

  • 紙製コンパクト‥芯材の紙にリサイクルペーパーを使用しており、環境に配慮した製品です。
  • 紙製コンパクト

    紙製コンパクト

  • 貼り函‥芯材に強度の高いボール紙を使い、外側にデザインされた紙を包むように貼ります。外側に貼れるものは、印刷紙・合皮・本革・レザーペーパー・サテン・正絹などです。
  • 貼り函

  • 紙製口紅容器‥紙として販売でき、紙として廃棄できる世界初の口紅容器です。外側の材質は紙で、繰り出し部も紙を51%配合した材料(マプカ)を使用しているため、繰り出し部も含めて材質を紙と表記することが出来ます。
  • 紙製口紅容器

  • パルプモールド‥水で溶かした紙を金型で成形する、紙の成形物です。100%紙なのでリサイクルも生分解も可能です。
    このように、一言に紙器と言っても多種多様な種類が存在します。
  • パルプモールド

器サンプルの製造工程

それでは、具体的にどのようにサンプルがつくられているか見ていきましょう。
プラシーズの実績品である「紙製コンパクト」のサンプル作りについて詳しく解説していきます。

紙製コンパクトの中身の配置を決定

実績紙製コンパクト

紙製コンパクトを作る際には、中身に入るものの配列を最初に決定します。
上記の紙製コンパクトは、左からアイシャドウが入った細長い中皿2つ、チークが入った四角い中皿2つ、ブラシが3本、さらにアイシャドウやブラシに蓋をするためのフィルムが入ります。

この配置には様々な工夫がされており、アイシャドウとチークが混ざらないように中皿同士に隙間を開けて配置されたり、衛生面を考慮してブラシの配置を他の中皿と仕切りを設けたりして、配置を決定しています。
この中皿、ブラシ、フィルムの配置の決め方にも順番があり、下記のように決定していきます。

①中皿
中皿は、すでに形状が決まっていることが多く、最初に配置することで最終的な箱の形を設計しやすくなります。中皿の現物や図面等の情報から、タテに並べるか、ヨコに並べるかなどをお客様と相談しながら決定します。

②ブラシ
ブラシは中皿の付属する製品のため、中皿の次に配置を決定します。アイシャドウやチークを使いやすく、取りだしやすい位置に配置するのですが、ブラシから配置を始めてしまうと中皿とのバランスがわるくなってしまう場合があります。

③フィルム
フィルムは、中皿やブラシの上に配置するもので、最後に配置します。このフィルムもブラシと同様にめくりやすいような配置を考えます。

紙製コンパクトの外観を決定

中身の配置が決まったら、紙製コンパクトの外側の形を決定します。
ここでは、正方形のコンパクトを用いて説明します。

白見本

まずは、「白見本」を作ります。
白見本は、お客様に形状を確認していただくために作成するもので、芯材はボール紙でつくり、その上に白色の貼り紙が貼られています。
この白見本で形状が決定したら、外側の色やデザインを決めていきます。

外側に貼られた白色の貼り紙を平面へ展開し、この形状を基に技術者が図面を作成します。
完成した図面をお客様に確認していただき、デザインを入れたものが以下のようになります。

加飾付き

水色とピンク色を使用したデザインとなっておりますが、デザインの入稿時に色の指示をいただくこともあります。

紙器の色校正

プラシーズではオフセット印刷という方法で色校正をおこなっております。

色校正が完了したら、デザインが印刷された紙をボール紙に貼り、お客様からの確認でOKを頂ければ紙製コンパクトのサンプルが完成となります。

色が想像と異なるなどのNGがあった場合は、再度試し刷りをしてチェックする作業を繰り返します。

プラシーズの提案品

プラシーズでは、様々な紙器を生産した実績がございます。実績品や試作品のなかでどのような形状のものがあるのか詳しく見ていきましょう。そして、サンプル品を作るうえで欠かせないものについて紹介します。

紙器の形状

中皿の形状が決まっていない場合や中身に入れる物が決まっていない場合は、箱の形状をご提案させていただくなどの対応も行っています。
例えば、身箱の内側にもう一段高さのある身箱をつけた構造の「インロー箱」や、蓋の大きさが身箱よりも大きい箱、観音開きになる箱などの実績があります。

貼函

貼箱1

この貼り箱は中身を包むような形となっており、中に入る製品が「大切なもの」であると印象づける効果があります。

貼箱2

箱を開くと、細長いボトルとクリーム容器が入っています。
このように、化粧品と貼箱を組み合わせることで、より高級感のある演出をすることができます。

貼函の実績品

アルビオン実績1

写真はプラシーズの実績品で、株式会社アルビオン様のセットボックスとなっています。
観音開きで、箱から飛び出す登場感やワクワク感を演出しています。

アルビオン実績2

貼函の中には、中皿やブラシだけではなく、ボトルやコンパクトの化粧品容器も収納可能になっています。

紙器のサンプル作成に便利なサンプルカッター

最後に、紙器のサンプル作成の秘密道具をご紹介いたします。
サンプルをつくる段階では、カッターマットやカッター、定規を使い、手作業で紙を切り出す方法がありますが、サンプルカッターという専用の機械を使う場合もあります。
以下の写真がサンプルカッターです。

サンプルカッター

サンプルカッターは、図面を読み込むことでその図面通りに紙を自動で切断する機械です。
また、切断以外にも途中まで切る「半切り」や、お菓子の箱などでよく見かける「ミシン目」をつけたり、折り目である「罫線」をつけることができます。
このサンプルカッターを導入することで、サンプル作成の自由度が上がり、リードタイムを大幅に短縮することが可能です。

紙器でお困りならプラシーズ!

プラシーズでは、お客様の提案に沿った紙器を製造し、用途に合わせたご提案をしております。
紙器のことでご相談がございましたら「お問い合わせフォーム」または「お電話」よりご連絡ください。
プラシーズのホームページでは、紙器の他にも、プラスチックの容器などについて多くの知識を発信しております。ぜひチェックしてみてください。

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