CASE STUDY58
モジュール発想の設備設計で、成形から空押しまでをインライン化。コスト削減と品質向上を両立

成形後の二次加工は、人手や工程が増えやすく、外注や別ライン対応となりがちです。
今回、プラシーズが取り組んだのは、成形からゲート処理、空押し加工までの3工程をインラインでつなぐ一貫生産システムの開発。工程を機能単位で捉え、既存設備を活用するモジュール発想の設備設計により、省人化とコスト削減、品質の向上を目指しました。
どのようにして、このインライン自動化は形になったのか——設計の考え方と、そこに込めた具体的な工夫について、担当者に話を聞きました。
成形から空押し加工までをつなぐ——自動化構想の出発点
—-今回の開発は、どのような課題意識から始まったのでしょうか。

今回の製品は、成形後に天面のゲート処理と空押し加工が必要でした。すでにゲート(超音波)処理はインライン化できていましたが、空押し加工は別工程で対応しており、ここを含めて3工程を一貫生産できないかと考えたのがスタートです。
二次加工は製品や仕様によって内容が変わるため、その都度カスタマイズできる柔軟な装置にしたい、という思いもありました。
専用機に頼らない、一貫生産システムの構築
—-具体的には、どのようなシステムを開発したのですか?

成形から天面処理、空押し加工までを一貫で行うインラインシステムです。
従来は、成形後に一度仮梱包して仕上げ工場へ運び、そこで空押し加工を行っていました。今回のシステムでは、自動取出機で製品を取り出し、天面のゲートを超音波で処理した後、コンベアで搬送し、そのまま空押し加工へとつなげています。
特徴的なのは、既存のコンベア構成を活かしている点です。従来使用していたコンベアの上部にゲート処理装置を設置し、処理後は元のコンベアに戻す構成とすることで、大掛かりな設備変更を避けています。
このように、各工程を機能単位で捉え、必要に応じて組み合わせていく——モジュール発想の設備設計が、現場条件や仕様変更にも対応できる柔軟なライン構成を可能にしています。
4人から1人へ——自動化がもたらした成果
—-導入によって、どのような成果が得られましたか?
もっとも大きいのは、省人化です。
従来は、成形で1人、検査で1人、空押し加工で2人の、計4人が必要でした。一貫生産システムを導入したことで、最終的な検査と箱詰めのみ、1人で対応できる体制になりました。
人手を減らせただけでなく、工程間のムダやバラつきが減り、品質の安定にもつながっています。
φ25mmの世界で挑んだ、搬送と位置決めの工夫
—-開発で苦労した点はどこでしたか?
製品はφ25mm程度のキャップで、空押しを行うには内側に治具を入れる必要があります。8個取りの製品を、一つひとつ確実かつスピーディーに搬送・位置決めすることが課題でした。
ゲート処理後の製品を空押し用の投入コンベアに移し、位置決めしたうえで、1個ずつスタンプ機の治具に投入する必要があるため、ピックアンドプレース方式を採用しています。

一方で、スタンプ機の熱板と治具の間にはほとんど余裕がありません。そこで、3軸搬送装置をできるだけコンパクトにまとめる必要があり、部品構成を工夫することで小型化に対応しました。
2トンプレスへの挑戦——空押し表現の限界を超える
—-開発期間中、印象に残っている出来事はありますか?
既存機では、圧力350~800kgで空押しを行うと、凹凸は0.2~0.5mm程度が限界でした。もっと深い凹凸を出そうとすると熱を上げる必要がありますが、熱を上げすぎると樹脂が溶け、刻印面がきれいに出ません。
そこで発想を切り替え、圧力を上げる方向に舵を切りました。最終的に、2,000kg(2トン)のプレス装置を新たに製作し、電動式のプレスモータを使ってチャレンジしました。

この取り組みによって、これまで以上にシャープで存在感のある空押し表現が可能になり、今後のデザイン展開にも手応えを感じています。
モジュール発想による設備設計——プラシーズ独自のアプローチ
—-今回のプロジェクトを、どのように振り返りますか?
今回のプロジェクトは、プラシーズが大切にしてきた設備づくりの考え方を、あらためて形にした事例といえます。
工程ごとに専用機を並べるのではなく、既存のコンベアや設備をベースに、必要な機能を組み合わせていく。工程をモジュールとして捉え、現場に合わせて組み替えられる設備設計が、私たちの基本姿勢です。
この発想によって、設備をゼロから作り込む必要がなくなり、導入コストや改修コストを抑えながらインライン化を進めることができます。その結果、自動化は“決め打ちの設備”にならず、省人化と品質向上を両立しながら、仕様変更や工程追加にも対応できるようになります。
現場に合わせて形を変えながら、使い続けられる設備であること。その柔軟性こそが、プラシーズの設備技術力の強みだと考えています。
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