CASE STUDY57
【オンデマンドIMD】立体と輝きを印刷で再現する加飾技術を共同開発。小ロットに対応

インモールド成形(IMD)に使われる加飾フィルムは、原反で数百〜数千メートル単位の製造が当たり前でした。小ロット・多品種が求められる現場にとって、それは大きな壁でもありました。
その常識を覆すのが、オンデマンドで必要な分だけ製造できるIMDフィルムです。フィルムを1枚からつくれることで、小ロットの試作やデザイン検証が、これまでよりも現実的な選択肢となります。
きっかけは、岩手県釜石市で開催された企業マッチングイベント。そこで出会ったオンデマンドで加飾フィルムを製造する技術が、新しい挑戦の扉を開きました。
どのようにして「必要な分だけつくれるIMDフィルム」は生まれたのか——その開発背景を、担当者に聞きました。
出会いは釜石から——オンデマンド技術への関心
—-今回のプロジェクトはどのように始まったのですか?
きっかけは、釜石市で開催された企業マッチングイベントです。プラシーズは釜石に工場があることもあり、当初は仕事の受注を目的に参加していました。
そこで出会ったのが、オンデマンドでフィルムを製造できる独自技術を持つ企業です。「1枚からつくれる」という発想そのものに強く惹かれ、この技術をどう生かせるかを模索し始めました。
あえて最難関のテーマに挑戦
—-技術課題はどのように設定したのでしょうか?

当社で手がけた「アヴァンセ シピエ パレット」。家電分野で培ったインモールド成形技術を応用し、複雑なデザイン表現を1工程で実現している。
最初に提示したのが、「高輝度と立体感のある化粧品表現を再現できないか」というテーマでした。
箔の設計やインクの処方は調整が難しく、しかも汎用性が高いとは言えません。市場性の面でハードルがあることは承知のうえで、あえてもっとも難しい課題に取り組むことで、技術の本質が見えると考えました。
その上で開発の焦点としたのが、「立体的に見えるフィルム表現」と「高輝度アルミフィルムを印刷で再現すること」の2つです。
従来、高輝度表現は真空蒸着が主流でしたが、今回は印刷によってアルミの質感を表現する可能性を探りました。オンデマンド製造により、原反を必要とせず1枚から製造できる点が大きな強みになります。
また立体表現についても、インクの厚みで盛り上げるのではなく、線の輪郭による視覚的錯覚を利用するという新しいアプローチを採用しています。

印刷工程の違いによって表情が変わる加飾表現。線の輪郭が生む視覚効果により、立体感と奥行きを演出している。
IMDとの融合が生む競争優位性
—-オンデマンドフィルムをIMDで使う際、どのような課題がありましたか?
最大の課題は、インクの溶解やクラックの発生です。平面のフィルムを立体に成形する工程では、どうしてもシワや割れが起きやすくなります。
この点で強みとなるのが、プラシーズのIMD(インモールド成形)技術です。成形条件を細かく調整することで、これらのトラブルを最小限に抑え、オンデマンドフィルムを実用レベルに引き上げる基盤を築くことができました。
「1枚から」がもたらす価値——3Dプリンターのような加飾体験
—-この技術の最大の魅力は何でしょうか?
やはり、小ロット対応です。従来の輪転機による箔製造では大ロットが前提でしたが、オンデマンド方式ではパソコンでデザインすれば、その場でフィルムを1枚から製造できます。これにより、小ロットでの試作や検証が、これまでよりもずっと現実的になりました。
さらに、もう一つの魅力が、デザインの自由度です。お客さまのデザイナーを招き、デザインから試作までをその場で行う——そんな使い方も可能になります。
サンプルカッターによる紙型紙作成と組み合わせることで、3Dプリンターのような感覚で、加飾試作を行える環境を提供できます。
フィルム製造という新しい選択肢
—-今回の開発から、どのような可能性が見えてきましたか?

転写箔と空押しを一体化できれば、コスト削減と加飾バリエーションの拡張という、もう一段上の価値提案につながると考えています。
また、今回の取り組みを通じて、企業同士が連携し、それぞれの得意分野を持ち寄ることで、単独では到達できなかった技術領域に踏み込めることも実感しました。オンデマンドIMDは、そうした共創によって可能性が広がるプロジェクトでもあります。
オンデマンドIMDは、単なる新製品ではなく、加飾のあり方そのものを見直すきっかけになるプロジェクトです。
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