CASE STUDY38
潤滑剤を定量吐出できる制御装置を開発。理想の繰り出し感を安定して生み出すことに成功

中身の口紅を繰り出して使う、繰り出し式の口紅容器。しっとりなめらかな繰り出し感を生み出すために、見えないところで潤滑剤が一役買っています。
かつては一つ一つ手作業で潤滑剤を塗布していましたが、品質の安定を図るために、潤滑剤の吐出量を制御できる装置を独自に開発。「マシンを駆使してここまで精密に制御している同業者は少ないと思います」と開発担当者は苦笑します。
今回は手作業で行っていたときの課題や、理想の繰り出し感を安定して生み出すために工夫したことについて話を聞きました。
口紅をスムーズに繰り出せるようにしたい
—-お客さまからどのような依頼がありましたか?
繰り出し式口紅容器の製造依頼です。
繰り出し式口紅容器とは、容器の下部を回転させることで、中身の口紅が繰り出される容器のこと。一般的には、キャップ、螺旋、中皿、身、ハカマの5つのパーツで構成され、中皿をはめ込んで回転させることで、螺旋に沿って口紅が上に繰り出される構造になっています。
この繰り出し式口紅容器づくりで私たちが大切にしていることは、口紅を繰り出すときの快適な操作性です。ストレスを感じることなく、スムーズに操作できることはもちろんのこと、高級ラインにふさわしい、しっとりなめらかな繰り出し感を創出することです。
そのために独自のさまざまな創意工夫を凝らしていますが、今回の「潤滑剤を塗布する」こともその一つです。
制御装置を開発して繰り出し感のバラつきを防止
—-どのような課題がありましたか?創意工夫した点を教えてください。
潤滑剤を塗布するにあたっては一つ一つ手作業で、シリコン潤滑剤をガーゼに染み込ませ、中皿に塗布していました。
しかし、作業を重ねるにつれ塗布量が減少するため、繰り出し感にバラつきが出たり、他のパーツにシリコンが付着してしまうといったトラブルが発生していたんです。
こうした課題を解決すべく、潤滑剤を定量吐出できる制御装置を開発チームが考案。中皿に注射針のようなものを入れて回転させながら、潤滑剤を狙った場所に正確に適量を塗布する装置です。
サーボモータを搭載することで、潤滑剤の投入角度や吐出量、回転速度の調整が可能になり、理想の繰り出し感を安定して生み出すことに成功しました。
「もっといい方法はないか?」終わりなき探究心
—-プラシーズに口紅容器を依頼するメリットはなんでしょうか?
プラシーズでは、口紅容器の快適な操作性を追求するために、構造そのものや各部品の寸法精度を見直すなど、あらゆる角度からアプローチを続けています。
例えば、今回ご紹介した繰り出し式の口紅容器についても、最初の開発から20年が経とうとしていますが、今もなお、より精度を高めるための研究を続けています。
口紅容器ひとつとっても、数々の「業界初」を生み出してきたプラシーズ。それを支えるのは、ものづくりの心臓部とも言える射出金型の設計スキルと、射出成形する技術力だと自負しています。
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