【業界初設計】口紅容器の驚くべき構造 5選
こんにちは!パッケージ・容器メーカーのプラシーズでございます。
今回の記事では、90年以上プラスチック製品の開発を続けるプラシーズから
「口紅の容器の構造」について、ご紹介したいと思います。
あなたが普段使用している口紅やリップの容器について詳しく知ることで、いつものメイクアップがより楽しいものになるかもしれません。ぜひ、最後までご覧ください^^
繰り出し式口紅容器の基本的な構造
「繰り出し式口紅容器」とは、容器の下部を回転させることで固形の口紅を繰り出すことのできる口紅容器です。口紅といえば、この容器を想像する方も多いのではないでしょうか。
まずは、この繰り出し式口紅容器について、基本的な構造を解説していきます。
繰り出し式口紅容器の構造
一般的な繰り出し式口紅容器は「キャップ」「螺旋」「中皿」「身」「ハカマ」の5つのパーツで構成されています。
「キャップ」と「ハカマ」は外装部分となるパーツで、製品の外観に直接影響します。
そのため、見た目や意匠性を重視して設計されることの多いパーツとなっております。
一方、「螺旋」「中皿」「身」は内部のパーツで、これらは「メカ」と呼ばれます。
通常は表に出る部分ではないため、見た目よりも機能性が重視されることが多いパーツになります。
繰り出し式口紅容器のメカの構造
次は口紅容器の「メカ」部分の構造から、口紅が繰り出される仕組みをご紹介いたします。
以下の画像をご覧ください。
身の部分に縦の切れ目が入っているため、中皿をはめ込んで回転させることで、螺旋に沿って口紅が上に繰り出される構造になっています。
中皿の突起部分が、螺旋階段をのぼっていくようなイメージをするとわかりやすいかもしれません。
また、身の切れ目は、上記の突起のような構造があり、ここを中皿の突起が通過する際に「カチッ」というクリック感と共にロックされます。
この構造によって口紅が勝手に繰り出されてカバンの中が汚れたり、口紅が折れたりするのを防ぐことができます。
独自開発!画期的な口紅容器の構造5選
さて、口紅容器の基本的な構造を知っていただいた所で、ここからはプラシーズが独自開発した口紅容器の構造を5つご紹介させていただきます。
あなたが当たり前に使っている口紅やリップの容器も、プラシーズがパイオニアとして開発した構造でできているかもしれません。
1:カップダウンしない口紅容器の構造
口紅容器の大切な要素として、口紅を繰り出すときのスムーズさが求められます。
現在の口紅容器は問題なく使えることが多いですが、昔の口紅容器は繰り出しやすさに重きを置くと、口紅をつけた際の圧力で中皿ごと押し戻されてしまう「カップダウン」という現象が発生していました。
この問題解決のカギを握っていたのは、「メカ」部分の寸法精度です。
当時は今ほど成形技術が発達しておらず、パーツごとの寸法にばらつきが大きくありました。これによって、パーツ同士に隙間が発生し、カップダウンにつながっていたのです。
これに対してプラシーズは、金型から寸法精度を見直しました。その結果、より肉薄な容器にすることで、繰り出しやすくカップダウンしにくい口紅容器をつくることに成功しております。
当時は、このような構造は他社になく、プラシーズがパイオニアとしてこの口紅容器を世の中に発信することになりました。
2:ラッパ型容器の構造
成形技術の発達により、繰り出しのスムーズさの追求は進んでいきます。
樹脂成形できる寸法の精度が上がったことによりパーツ同士の隙間ができにくくなり、市場に流れる口紅容器の品質も向上していきました。
しかし、ここでもプラシーズは一歩先へ進んだ構造を生み出します。
それが、こちらのラッパ型容器です。身の部分が徐々に広がるラッパ型の構造は、螺旋と組み合わせた際に外側へ向けた圧力がかかり、パーツ同士の隙間が少なくなります。
このラッパ型容器の成形には難易度の高い金型作製が必要であり、プラシーズの口紅容器以外では見たことのない技術です。
3:アール螺旋の構造
一般的な口紅容器は、キャップを開けた状態で上から見ると螺旋の内側にある身が見えてしまう構造になっています。これによって、口紅容器がチープに見えてしまうという問題がありました。
金属のパーツを上から被せることで高級感を出す構造がよく見られますが、金属のパーツはコストがかかり、工数も多くなることから、実現するための価格が高くなってしまうのが現状です。
そこでプラシーズは、外側にある螺旋の上部にアール(角の丸み)を持たせることで、内側にある身を覆うような構造を開発しました。
このアール螺旋によって、従来の口紅容器と同じ材料とパーツ数でも、より高級感を演出できる製品に仕上げることが可能になります。
こちらも先ほどのラッパ型容器同様に、金型をつくるのが難しい技術であり、プラシーズが先駆的に開発した製品の一つとなっております。
4:中身が見やすい「一条螺旋」の口紅容器の構造
一条螺旋の口紅容器は、80を超えるカラーバリエーションをもつ口紅の容器として、中身の色をきれいに見せたいといったご要望にお応えした事例の製品です。
中身を見せるだけならば、透明なパーツを用いれば口紅の色を確認することは可能ですが、普段は見えないメカの部分も一緒に見えてしまうため「中身の口紅をきれいに見せたい」というご要望には及びませんでした。
そこでプラシーズは、内部の意匠にまでこだわった開発に取り組みます。
通常の口紅容器では中皿を2点で固定するため、螺旋は二条螺旋の構造になっています。このため、螺旋による凹凸が多くなり、中の口紅が見えにくいという問題がありました。
そこで、螺旋を一条螺旋の構造にすることで凹凸を減らせば、中身が見えやすくなるのではないかと開発したのが一条螺旋の口紅容器です。
この一条螺旋の構造では、中皿が1点での固定になるため傾きやすく、繰り出しをスムーズにすることが非常に難しいという問題がありました。
プラシーズは長い開発期間の末、寸法精度や潤滑剤のグレード・塗布量をコントロールし、他では真似をすることの難しい一条螺旋の口紅容器を完成させました。
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5:ワンタッチリップとスライドルージュ
「ワンタッチリップ」とは、プラシーズが日本メナード化粧品株式会社様と共同開発した、画期的な口紅容器です。横にある突起をスライドするとキャップが開き、口紅が繰り出される構造になっています。これらの動作が片手で完結することが最大の特徴で、従来の繰り出し式口紅容器との決定的な違いとなりました。
「スライドルージュ」は株式会社伊勢半様と共同開発した口紅容器で、ワンタッチリップの進化系のような位置づけとなります。ワンタッチリップの構造では、キャップを閉める動作だけはスライドのみで完結しませんでした。この課題に対して、1年を超える開発期間を経て、片手のスライド操作で開閉が完結する口紅容器を完成させました。
スライドルージュは、株式会社伊勢半様との共同特許を取得しており、片手で操作完結できる口紅容器をつくれる容器メーカーはプラシーズだけとなっております。
このような片手で操作できる口紅容器は、障害を持つ人を含めて誰でも簡単に扱えることから、ユニバーサルデザインを用いた口紅容器として業界からも注目を集めています。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
普段は目につかないような、細かい構造までのこだわりが、90年間信頼され続けるプラシーズ製品の根源になっているのです。
プラシーズでは口紅容器はもちろん、プラスチック容器や紙製パッケージなど、あなたの想いに寄り添った容器の開発を得意としております。
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