CASE STUDY11

プラスチックから環境にやさしい紙容器「パルプモールド」へ。独自のシンプル構造と金型設計で省資源化とコスト大幅削減に成功

プラスチックから環境にやさしい紙容器「パルプモールド」へ。独自のシンプル構造と金型設計で省資源化とコスト大幅削減に成功

プラシーズでは環境に配慮した製品の開発に取り組んでいます。今回のメール便対応薄型パルプモールドケースもそのひとつ。中枠をプラスチックから環境に配慮したエコ素材「パルプモールド」に切り替えることで、資源の有効活用やCO2排出量の削減に貢献することができます。薄型パルプモールドケースのメリットやプラシーズのこだわり、今後の展開についてインタビューしました。

~ココに注目!~
◉プラスチックから紙へ。環境にやさしいエコ素材「パルプモールド」への切替提案
◉シンプル構造により省資源化と作業効率化を実現
◉強度にも優れているので輸送過程の品質保証も万全
◉金型設計の工夫でコスト大幅削減に成功

—-メール便対応薄型パルプモールドケースとはどんな製品ですか?

メール便対応薄型パルプモールドケース

環境にやさしいエコ素材として注目されている「パルプモールド」を使用し、メール便配送が可能なサイズの薄型ケースを自社開発しました。

通常のメール便対応薄型ケースは、プラスチックの中枠にサックケース(紙箱)を組み合わせて仕上げていますが、今回のプロジェクトでは、中枠をパルプモールドに、外枠をスリーブ(筒状の蓋)に置き換えています。

注目してほしいのは紙化だけでなく、構造をシンプルにすることで、省資源化と作業効率化も同時に実現している点です。

—-パルプモールドとは何ですか?

パルプモールドとは、新聞やダンボールなどの古紙を水で溶かし、金型で成形した紙成形品です。環境意識の高まりとともに、プラスチック容器の代替品として近年注目を集めています。

卵パックや家電製品などの緩衝材として使用されているものは、成形後に自然乾燥させているのでふかふかとやわらかいですが、今回使用しているパルプモールドは、成形して濡れているうちに熱圧着をかけて紙の密度を上げているので、強度にも優れています。

—-こだわった点について教えてください。

シンプル構造のパルプモールド紙器

一番こだわったのは、シンプル構造です。

省資源化を図るために、構造をできるだけ簡素化しました。外箱をなくして、パルプモールドケースに厚紙を巻き付けるだけの超シンプルな構造です。

スリーブがズレて隙間から内容物が飛び出てしまわないように、ケースの左右に土手を作りました。自社開発したオリジナル構造として特許出願中です。

あとは、金型の製作費用です。

通常の真空成形と同等の金額で金型製作できるように、設計に工夫を施しました。

プラスチックケースの金型代がおよそ50万円とした場合、パルプモールドに置き換えるとその数倍かかると言われています。環境や資源を守るためにエコ容器の導入が重要だと理解していても、コスト負担がネックになり、切り替えを決断できない化粧品メーカーが多く存在します。

メール便対応薄型の主な用途はトライアルセットや季節限定商品です。焼却数が少なく、ただでさえ製品代が高くなる上に、初期投資費用に数倍払って環境対応しましょうと提案することに、違和感を感じていました。

—-プラスチックの代替品として、一般的な紙ではなく「パルプモールド」にするメリットは何ですか?

プラスチックの代替品になるパルプモールド紙器

商品の形状に合わせて成形できるので、セットが簡単です。

一般的な紙中枠の場合、複雑な形状に合わせた型抜きができないため、丸みを帯びたボトルなどは安定せず、正面に向けてセットするのにひと苦労です。

その点、パルプモールドはプラスチックと同様、商品の形状に合わせて成形できるので、ホールド性にも優れています。作業の効率化が図れますね。

また、強度に優れているため、輸送過程での品質保証ができます。

紙中枠の場合、重量のある製品だと落下テストで破けてしまう恐れがあります。その点、パルプモールドは強度に優れているので、お客さまの手元に届くまでの品質保証も万全です。

さらに、通常成形後にプレス加工を追加することによって、ロゴや柄などの繊細な模様も浮き上げで再現することができます。表面はより滑らかに、強度向上にもつながります。

—-プラシーズに依頼するメリットを教えてください。

やはり、金型を低コストで制作できることです。

プラスチックからパルプモールドに切り替えることで費用がかさむところを、独自の金型設計により、プラスチックと変わらない低コストを実現しました。

もちろん、品質にも自信があります。

プラシーズにはプラスチックトレーの製造で培ったノウハウがあります。トレーに求められるものは何かを習熟した上で、パルプモールドの設計を行っていますので、安心してお任せいただけると思います。

—-今後の展開についてどのように考えていますか?

省資源化への取り組みは、今後も変わらず追求し続けていきます。

それと同時に、別の用途での活用方法を探求し、新たな顧客層や市場をターゲットにビジネスチャンスを拡大していきたいですね。

真空成形品はパルプモールドに置き換えることが可能ですので、ファンデーションのリフィル容器としてもご提案できます。また、シンプルな構造ゆえに梱包の手間もかからない利点を生かし、お中元やお歳暮などギフトパッケージとしても利用価値は高いと考えています。