CASE STUDY10

凹凸・立体感・プリズムの特殊表現を低コストかつ小ロットで実現。デザインの可能性を飛躍的に広げる新技術「DTモールド」とは?

凹凸・立体感・プリズムの特殊表現を低コストかつ小ロットで実現。デザインの可能性を飛躍的に広げる新技術「DTモールド」とは?

家電用途で磨き上げたIMD工法(インモールド成形)と、高度な印刷技術を複合して生まれた独自の技術「DTモールド」。開発者は「DTモールドとデザイナーの感性、この融合がどう化けるのか、これからが楽しみだ」と話します。DTモールドのメリットや表現の可能性、今後の展開についてインタビューしました。

~ココに注目!~
◉微細な模様や繊細な質感など意匠性の高いデザインに対応
◉凹凸・立体感・プリズムなどの特殊表現を成形1工程で実現
◉金型不要による低コストを実現
◉オンデマンドで小ロットに対応

—-DTモールドとはどのような技術ですか?

DTモールドとはどのような技術ですか?

私たちの得意とするIMD工法を応用して、独自に開発した成形技術です。フィルムに特殊な印刷をすることで、表面に凹凸をつけたり、角度によって絵柄を変化させることができます。

画期的なのは、こうした意匠性の高い特殊な表現を、金型の彫刻や加飾を施すことなく、成形1工程で仕上げられることです。

—-開発のきっかけを教えてください

DTモールドのルーツとなるIMD工法とは、転写箔を金型内に挟んで樹脂を注入すると、印刷が成形品に転写され、成形と同時に加飾ができるという技術です。家電製品などに多く採用され、プラシーズでも長年にわたる豊富な実績があります。

平面のフィルムを立体に絞るので、シワと位置ずれが起きやすく、熱と圧力の加減を間違えるとフィルムが破れてしまうなど、非常に難易度の高い技法です。その技術が中国に渡ったことで、日本では徐々に廃れてきていました。

「この技術を埋もれさせてしまうのはもったいない」という思いから、IMD工法に再び光を当て、印刷技術と複合した成形技術、DTモールドの開発に取り組んだのです。

—-DTモールドの特徴やメリットを教えてください

DTモールドの特徴やメリットを教えてください

微細な模様や繊細な質感に加え、凹凸・立体感・プリズムといった特殊な表現を、低コストかつ小ロットで製造できることです。

こうした意匠性の高いデザインはもちろん、コストをかければつくることはできます。大手メーカーならそれも可能でしょうが、限られた予算内では思い描いたデザインを再現できず、もどかしい思いをしているデザイナーさんもいることでしょう。

そんな方にぜひこの技術を知ってもらいたい。表現の幅が飛躍的に広がると思います。

—-具体的にどんな表現が可能ですか?

多種多様なデザインに対応できます。特徴的な表現技法は主に3つです。以前に日本大学生産工学部創生デザイン学科内田研究室と共同制作した試作品を通してご紹介しますね。

凹凸

凹凸

天板の表面に凹凸をつけることができます。転写フィルムにインクを使って凹凸をつくり、そのフィルムを金型に挟んで成形すると、凹凸も転写されます。

立体感

立体感

模様に立体感をつけることができます。光の屈折率の差を利用して、転写箔のトップ層を厚くして模様に段差をつけることで、プリズム効果が生まれて模様が立体に見えます。

こちらは実際に販売されているコンパクト容器です。フランスのリモージュ磁器をお手本にしたデザインで、優雅で繊細な柄と陶器のような質感を再現しています。

プリズム効果

プリズム効果

光の屈折を利用したプリズム効果により、角度によって見え方の変化が楽しめます。

こちらは星座をモチーフにしたデザインです。プリズム効果を利用したホログラムフィルムで星の輝きを、印刷フィルムで凹凸を出して星座の紋章もデザインしています。

さらには星座別にバリエーション展開できる点など、小ロット製造が可能なDTモールドの強みを最大限に表現できている作品だと思います。私のイチ押しです(笑)

—-今後の展開についてどのように考えていますか?

DTモールドを使って何ができるか、日々模索しています。

デザイナーの感性を掛け合わせることで、今までにない斬新なプロダクトを生み出すことができる。それだけのポテンシャルを秘めた革新的な技術だと自負しています。

まずは、多くの皆さんにDTモールを知っていただくこと。そして、デザイナーの視点でその可能性や魅力を引き出していただき、新しい用途につなげていきたいです。