CASE STUDY12
最大肉厚21.6mmのPET肉厚透明容器。ガラスを超える透明感と美しさにメーカーも大絶賛!
肉厚透明容器を得意とするプラシーズ。実績数はゆうに100を超えます。なかでも今回のPET素材を使った容器は肉厚が21.6mmもあることから、高度な成形技術と特殊なノウハウが求められる難易度の高い依頼。その完成度の高さにメーカーも大絶賛したと言います。素材をガラスからPETに移行するメリット、プラシーズのこだわりや今後の展開についてインタビューしました。
—-お客さまからどのような依頼がありましたか?
「ガラスのように透明で美しい肉厚容器をプラスチックでつくってほしい」といったご依頼でした。
従来品はガラス容器でした。ガラスは見た目が美しく、高級感や重厚感がある反面、重くて割れやすいために扱いが難しいことや、生産ロットの多さから在庫保管リスク、成形精度の限界などのデメリットがありました。
その点、プラスチックは軽くて丈夫です。大量生産はもちろん、小ロットにも対応できます。また、成形しやすいのでデザインの自由度が高く、色のバリエーションも豊富です。
さらに、PETはリサイクル可能なプラスチックで、製造プロセスはガラス容器より生態環境への影響が少なく安全です。
今回のクリーム容器はこれまでの肉厚容器の実績が認められ、メーカー様より直接お声がけいただきました。しかも、シリーズのメイン商品ということで、かつてない特別なデザインにしたいというご要望がありました。
—-お客さまの要望を叶えるために、どのような課題がありましたか?
ただでさえ肉厚容器は成形に高度な技術と特殊なノウハウを必要としますが、今回の製品は外観フォルムが直線的なため、誤魔化しが効かない難しさがありました。
同じ肉厚容器でも、側面が直線的であればあるほど、ヒケが目立ちやすくなります。ヒケとは樹脂の収縮が原因で成形品の表面に発生する歪みや凹みのことです。
シングルインジェクションではヒケを防ぐことが難しい…。トリプルインジェクションという選択肢もありましたが、その分、金型制作コストが上がってしまう。そこで、条件設定を工夫することで、ダブルインジェクションによる成形を可能にしました。
—-苦労した点について教えてください。
一次と二次インジェクションの重量と形状の最適なバランスを見つけ出すのに苦労しました。
PETは透明性が高くて耐熱性に優れた万能素材ですが、冷えると結晶化して白濁しやすいため、これだけ肉が厚い容器を美しく成形するには、高度な技術と特殊なノウハウが必要となります。
また、プラシーズでは通常、3次元CADで設計したデータをもとに、専用ソフトを使って流動解析を行っていますが、今回のようなダブルインジェクションはAIでもシミュレーションできません。
PETの中でも透明性や成形性が異なる数種類のグレードを使って試作しました。何千通りにも及ぶ組み合わせの中で、条件に合うのはわずか5%ほど。その5%に向かってトライアンドエラーを繰り返しました。
今回のクリーム容器はプラシーズ史上、PET素材でつくった最大肉厚容器となりましたね。
—-今後の展開についてどのように考えていますか?
環境配慮の風潮が強まる中、肉厚容器の需要は減少傾向にあります。とはいえ、美を求める消費者の購買意欲を喚起する上で、見た目の高級感や特別感が重要な役割を担っていることは間違いありません。
これまで培ってきた肉厚成形の技術を殺さないためにも、プラシーズとしては、プラスチック容器=使い捨てではなく、リターナブルされる容器として、お客さまの手元に永く置いてもらえるように、これからも意匠性と機能性を追求し続けていきたいですね。
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