CASE STUDY09

累計1000万本突破!片手で操作ができるワンハンドリップ。誰もが使いやすいユニバーサルデザインへ進化が止まらない!

累計1000万本突破!片手で操作ができるワンハンドリップ。誰もが使いやすいユニバーサルデザインへ進化が止まらない!

多様性や包括性を尊重する社会的な動きから、障害を持つ人も使いやすいように設計されたユニバーサルデザインの化粧品が注目されています。今回ご紹介するワンハンドリップもUDに配慮し、蓋を開けて紅を繰り出し、蓋を閉めるまでの一連の動作を片手で簡単に行うことができる設計になっています。構想から製品化まで1年を費やした渾身の力作。開発の経緯やこだわり、今後の展開について、開発リーダーの田中さんにインタビューしました。

~ココに注目!~
◉数百万本販売!化粧品業界でも有名なスライドルージュ
◉ワンハンドで操作完結できる口紅容器はプラシーズだけ
◉誰もが使いやすいユニバーサルデザイン
◉さらなる進化を目指してオリジナルモールドを開発中

—-お客さまからどのような依頼がありましたか?

「今までにない個性的な口紅を発売したい。口紅容器で何か工夫ができないか?」というご相談がありました。

—-お客さまの要望を叶えるために、どのような提案をしましたか?

スライドルージュ

スライドルージュ

蓋を開けて紅の繰り上げと繰り下げ、さらには蓋を閉めるまでの一連の動作をワンハンドでできるスライド式の口紅容器です。当時は口紅といったら繰り出し容器が主流で、スライド式はほとんど出回っていませんでしたからね。

ワンタッチリップ

ワンタッチリップ

アイデアの原点となったのは、ワンタッチリップです。当社が20年以上前に製造したスライド式の口紅容器で、その特許が切れるタイミングと重なったこともあり、ワンタッチリップを上回る進化形をつくろうということになったんです。

—-ワンタッチリップとはどのような製品ですか?

片手で蓋開けから紅の繰り出しまでできるリップスティックです。口紅容器の歴史の一角を担う画期的な製品と言っても過言ではなく、ワンタッチリップといえばプラシーズといわれるほど、化粧品業界で有名になりました。

ポップアップリップ

ポップアップリップ

ワンタッチリップの原型は、当社が40年以上前に手がけたポップアップリップです。蓋開けから繰り出し、蓋閉めまでの一連の操作をワンハンドで完結できる商品です。

パーツが少なく安価に製造できる反面、蓋の部分が簡単なベロで覆われているシンプルな見た目ゆえに、高級感にはやや欠けていました。そこで、金属や加飾を施して、高級ラインとして出したのがワンタッチリップというわけです。

—-開発するにあたり、どのような課題がありましたか?

ワンタッチリップ

ワンタッチリップ

このワンタッチリップは、使い終わった後に指で蓋を閉める動作が必要でした。

お客さまから「形状を変えてオリジナル性を出したい。ワンタッチリップを蓋が閉まる構造にしたら面白いよね」といったご要望があり、ワンハンドで蓋閉めまでできる構造を開発する必要がありました。

—-苦労した点やこだわった点について教えてください。

今までにない製品だけに、新しい構造を生み出すので苦労しました。製品化するまでに通常の3〜4倍、1年以上を費やしました。
構造のヒントになったのは、ハンコ付きスライド式ネームペンです。製品を解体して構造を見て、蓋と紅の繰り出し操作をする部分を一体にすることで、蓋開けから蓋閉めまでを一度にできることがわかりました。

そこからはスリム化・軽量化を追求し、小さい設計でキャップと繰り出し操作部のパーツを2つにすることで、大げさな嵌合部がなく、スリムで軽量化を図ることに成功しました。

あとは、最後に蓋を閉めるときの音です。カチッと音がするんですが、実はこの音、蓋と本体が嵌合する音ではないんです。繰り出し操作部と本体のレール部がわざと音を鳴らすような構造にしています。カチッと鳴ることで、使う人が蓋が閉まったことを確認できるようにしました。

—-今後、どのような展開を考えていますか?

口紅容器といえば「繰り出し」か「ワンハンド」かとなるくらい、ワンハンドリップを繰り出し容器のシェアに食い込むような存在にまで昇華させ、当社のオリジナルモールドで世に送り出したいです。

そのために今、さらなる進化形を開発中です。現状のワンハンドリップは、一般的な繰り出し容器に比べて構造が複雑で、組み立てに時間と工数を要するため、コストがかかってしまいます。こうした問題を解決する新しい構造のスケッチはできています。

また、片手で簡単に操作ができるワンハンドリップは、障害のある方にとっても使いやすいように設計したユニバーサルデザインです。欧米では、こうした美容製品を専門に扱うブランドも増えていて、今後さらなる市場の拡大が予想されています。

私たちプラシーズとしてもUDに配慮した製品をシリーズ化・標準化し、将来的にはPB商品として展開できたらと考えています。