Interview vol.03

3人のレジェンドによる座談会佐々木 進 × 田中 雄一 × 山名 光弘

田中 雄一 × 山名 光弘 × 佐々木 進

設計、設備開発、そして現場。
それぞれ違う持ち場で、長くプラシーズのものづくりを支えてきた3人。

同じ会社にいながら、見てきた景色は少しずつ違う。
それでも共通しているのは、「どうすればできるか」を考え続けてきたこと。

3人の言葉から、プラシーズの強さの正体をたどる。

会社を支えてきた3人が語る──
プラシーズの強さの正体

田中 雄一
1958年生まれ。工業高校卒業後、1977年に和田工業(現プラシーズ)に入社。設計課でキャリアをスタートし、営業部長、佐野工場長、製造部長を経て、2011年に社長就任。2020年より会長。設計から現場、経営までを一貫して経験。

山名 光弘
1960年生まれ。足利工業大学電気工学科卒業後、1983年に和田工業に入社。開発課に配属され、二次加工機や成形機用ロボットなどの開発に従事。佐野工場長、釜石第二工場長などを歴任し、現在は各工場の自動化・省人化の推進を担う。

佐々木 進
1961年生まれ。工業高校卒業後、1979年に和田工業に入社。二次加工(加飾)部門で経験を積み、課長、岩舟工場長、釜石工場長、佐野工場長を歴任。現在は嘱託として、現場支援や技術継承に携わる。

【関係性】最初の接点は、意外にも野球部。仕事では、互いを認め合う関係に

最初の接点は、意外にも野球部。仕事では、互いを認め合う関係に

——今から50年ほど前になりますが、3人の出会いのきっかけは?

佐々木:一番の接点は、野球部ですね。本社の野球部。交流試合で初めて顔を合わせたのがきっかけです。

田中:ありましたね。あの頃は、今のように部門を越えた交流も多くなかったですから。

佐々木:だから、最初は野球から、ですね。

——お互いの印象はどうでしたか?

田中:私は新製品の設計を担当していて、工場の立ち上げで現場に入ることも多かったんですが、仕事として関わることが多かったのは佐々木さんでした。現場の責任者でしたから。

山名さんは設備開発で、機械も含めて幅広く担当していた。当時から「自分にないものを持っている人だな」という印象でしたね。

山名:田中さんは、とにかく図面や作業指導書が細かいんですよ。「ここをこうしてください」という指示が、かなり具体的に書かれている。新製品にはどうしても“産みの苦しみ”があるじゃないですか。その中で何度も現場に来て、「ここはこうじゃないか」と確認していた印象があります。

佐々木さんは、現場の責任者として「こうすればできるかもしれない」と提案してくれる人でした。

佐々木:最初は本社から来る人なので、「偉い人が来たな」という印象でした。でも仕事で関わるようになると、やっぱり違いましたね。こだわりもあるし、切れるんですよ。

——切れる?

佐々木:悪い意味じゃないですよ(笑)。いい意味で。話していると、一味違うというか、視点が違うなと感じました。

山名さんは年齢も近かったので、入ってきたときはうれしかったですね。スポーツマンタイプで、さわやかな印象でした。

設計、設備開発、そして現場。
それぞれ違う持ち場で、長くプラシーズのものづくりを支えてきた3人。

——設計と現場、ぶつかることもありましたか?

田中:ありましたよ。難易度の高い新製品も多かったですから。設計するのはこちらなので、現場から見れば「設計が悪い」と思われる部分もあったと思います。

佐々木:量産できるのか、という話にはなりますよね。

田中:「仕様書に田中のハンコがあると大変だぞ」と思われていたかもしれないですね(笑)。

【仕事観】それぞれの現場で積み重ねてきた工夫が、プラシーズの強さをつくる

——この仕事の醍醐味はどこにあると感じていますか。

田中:設計したものが狙い通りに仕上がって、問題なく流れて、きちんと利益が出る。その一連をちゃんと見届けられるところです。

佐々木:それはありますね。

田中:途中でうまくいかないことも多いですけど、それを一つひとつ潰していって、最後に形になる。その瞬間はやっぱりいいですよ。

それぞれの現場で積み重ねてきた工夫が、プラシーズの強さをつくる

佐々木:現場としては、難しい加飾とか新しいことに挑戦するときが一番やりがいありますね。最初はなかなかうまくいかないんですけど、みんなで工夫して、ようやく安定してきたとき、「いけるな」っていう手応えがあるんです。

山名:設備も似ていますね。単体の機械が良くてもダメで、生産機と搬送装置がうまくつながって、全体として動いて初めて成立する。そこがピタッとはまったときは、やっぱり面白いですね。

——仕事をするうえで、大切にしてきたことは何でしょうか。

仕事をするうえで、大切にしてきたこと

田中:設計の立場で言うと、お客さまが目指す形や品質にに向けて、「もっとこうしたほうがいいんじゃないか」と提案することです。

佐々木:田中さん、そこは強いですよね。

田中:いやいや(笑)。でも、やっぱり簡単に「できません」とは言いたくないんですよ。どうやったらできるか、そこは最後まで考えたい。

佐々木:現場も同じですね。「できない」と言うのは簡単なんですけど、それで終わらせたら何も残らないので。どうしたらできるかを考える。その積み重ねが技術になっていくと思っています。

山名:私は、横のつながりですね。現場同士でちゃんと情報を共有して、連携すること。一つの部署だけで完結する仕事ではないので、そこはずっと意識してきました。

——これまでで印象に残っている出来事はありますか。

田中:設計課の責任者をやっていた頃ですね。新製品の受注が増えて、基本設計をほぼ一人で見ていた時期があって。

佐々木:あのときはすごかったですよね。

田中:正直、大変でしたけど(笑)。今は優秀な後継者に任せていますが、あの時期は、「この会社の設計の考え方は自分がつくっているんだな」という自覚を持ちました。

印象に残っている出来事

山名:私は入社してすぐの頃、スタンプ加工機の改善に関わったのが大きかったですね。現場の方と一緒に、「ここをこうしたい」「こう動かしたい」と細かく詰めていって、改良を重ねて。

佐々木:あれ、今でも使ってますよね。

山名:そうなんです。「万能機」って呼ばれていて。ああいう形で残っているのはうれしいですね。

佐々木:私は、現場を任されるようになってからですね。工程全体を見ながら、「どうすればうまく回るか」を考え続けてきた。その積み重ねが今につながっているかなと思います。

——プラシーズの強みはどこにあると感じていますか。

田中:設計から製品完成までを自社で一貫してできるところですね。経験も積み重なっているので、大体の課題には対応できる。それが当社の土台になっています。

山名:経験の多さと、対応の速さですね。それに加えて、小回りが利くところも強みだと思います。

実際に、同じ金型を使っても、他社では同じように製品が仕上がらなかったケースもありました。工程の組み方や条件の出し方など、細かい積み重ねが違うので。そのあたりも含めて、当社の技術だと思っています。

佐々木:現場の柔軟さですね。少量多品種でも対応できるところは大きいと思います。現場ごとに状況が違う中で、どう成立させるかを考えているので、その差は出てくると思います。

【継承】「面白くなる瞬間」を、逃さないでほしい

「面白くなる瞬間」を、逃さないでほしい

——これからのプラシーズを担う若手社員に伝えたいことは?

田中:まずは、ものづくりの楽しさを知ってほしいですね。それと、簡単にあきらめないこと。

最初からうまくいくことばかりじゃないですけど、続けていくうちに、だんだん面白くなってくるんですよ。小さくてもいいので成功体験を積み重ねていくと、「もう少しやってみよう」と思えるようになる。その先に、他の人にはできないものが見えてくるんじゃないかと思います。

佐々木:それはありますね。最初のうちは大変なんですよね。

田中:そうなんですよ(笑)。

これからのプラシーズを担う若手社員に伝えたいこと

山名:私は、自分たちがつくっている製品にもっと興味を持ってほしいと思いますね。

実際に、自分が関わった製品をお店で買ってくる社員もいるんです。「これ、自分がやったやつなんです」と言って。そういう人はやっぱり違いますよ。責任感も強いですし、課題にぶつかっても逃げない。

佐々木:意識が変わりますよね。

山名:そうですね。その姿勢は、これからの世代にも受け継いでいってほしいです。

佐々木:現場としては、やっぱり一人で完結する仕事ではないので。技能の多能化もそうですし、周りと関わりながら進めていく意識は大事だと思います。

何か課題があったときに、自分から関わっていく。そういう人が増えると、現場全体も良くなっていくので。

田中:会社は、誰か一人がつくるものではないですからね。

佐々木:そうですね。

田中:AIもこれからどんどん進んでいくと思いますけど、それでも最後は人が考えて、手を動かしてつくる仕事だと思っています。そこはこれからも変わらない。

だからこそ、自分たちの仕事に誇りを持って向き合ってほしいですね。

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