CASE STUDY54
【空押し加工×印刷】が切り拓く新境地。線と面が描き出す、表情豊かな加飾表現

「線」と「面(ベタ塗り)」をどう使い分けるか――その設計ひとつで、空押し加工の表情は驚くほど変わる。印刷と組み合わせれば、単なる装飾を超えた奥行きと高級感が生まれる。
プラシーズが誇る加飾技術を、デザインの可能性へとつなげたい。そんな挑戦から始まった今回のプロジェクト。若手女性スタッフが描いたデザインをもとに、技術担当者が刻印設計を手がけました。
インタビューでは、繊細な線と力強い面表現をどう操り、試作モデルに命を吹き込んだのかを語ってくれました。
挑戦のはじまりは、“加飾技術をもっと自由に”
—-今回のプロジェクトは、どのような経緯ではじまったのでしょうか?
プラシーズの誇る『加飾技術』を、デザインの可能性へつなげたい――そんな挑戦から生まれたのが今回のモデルです。今回は、空押し加工と印刷を掛け合わせて、コンパクトを華やかに仕上げました。

デザイン画を担当したのは若手の女性スタッフ。そのアイデアをどう形にするかは、刻印設計の腕の見せどころでしたね。
線で押すのか、面(ベタ塗り)で押すのか。その選び方ひとつで、仕上がりの印象はまるで違ってきます。
繊細さを出すなら線、存在感を出すなら面。そして、両者を組み合わせることで、光の加減や印刷との重なりが変わり、奥行きのある表情が生まれるんです。
「線」と「面」で描く、刻印設計の妙
—-制作のなかで、とくにこだわった点はどこですか?

やはり刻印の設計ですね。デザイン画をそのまま版下にするのではなく、完成したときの見え方を想像しながら、線と面をどう配分するかを考えます。
例えば、葉っぱの葉脈は線で描くことで繊細さを演出。主役の花は面で押し、印刷の色を重ねることで華やかさを引き立てました。
すべてを線にすると細かすぎて雑然と見えてしまう。逆に面ばかりでは重くなる。だからこそ両方をバランスよく取り入れることで、メリハリのある仕上がりになるんです。
光が当たると浮かび上がったり消えたりする線。印刷と溶け合って存在感を放つ面。この対比こそ、刻印設計の面白さだと思います。

量産の壁を越えた“ひと工夫”
—-印刷と刻印を組み合わせるにあたって、技術面で工夫したことはありますか?
印刷と刻印を組み合わせる工程では、インクが刻印に付着して量産できないのではないか、という心配もありました。
そこで、特殊なコーティングを刻印にすることで、インクが刻印に残らないように工夫。これで量産の課題をクリアしました。
さらに応用すれば、不織布を挟んで布目の模様を転写するなど、新しい質感表現にもつながります。
「何を挟むか」という発想ひとつで、コスト削減や納期短縮だけでなく、デザイン的な広がりも期待できるんです。
高級感と量産性、その両立を実現
—-お客さまにとってのメリットは?

空押し加工と印刷を組み合わせることで、従来にはない質感や奥行きを表現できます。単なる印刷では表現しきれない「高級感」や「特別感」が生まれるため、商品のブランド価値を高めることにつながります。
また、今回のように特殊なコーティングを刻印にすることで量産性の課題も解決。デザインの自由度を広げながらも、安定した生産が可能になりました。つまり、お客さまは「デザイン性」と「量産対応力」の両方を手にできるわけです。
愛らしさにヴィンテージのエッセンスを
—-今回のデザイン画には、どんなコンセプトが込められていたのでしょうか?

イメージしたのは、若い女性に人気のコスメブランドの世界観。勿忘草とリボンをモチーフに、ヴィンテージ感とロマンティックさを掛け合わせました。
愛らしさの中に、少し大人っぽさも覗かせたい。そんなコンセプトでまとめています。
技術とデザインの出会いが、次の表現を拓く
—-この取り組みを通じて感じたこと、今後につなげたいことは?
空押し加工と印刷を組み合わせることで、単なる印刷では生み出せない表現が可能になります。
線の繊細さと面の存在感。その組み合わせが、遊び心のある美しさをつくり出す。プラシーズには空押し加工の実績と、刻印設計のノウハウがあるからこそ、その一歩先の表現に挑戦できる。
デザイナーと技術者が一緒になって、新しい加飾の世界を切り拓いていきたいですね。
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