CASE STUDY13
ミクロン単位の寸法精度を徹底追求。360度継ぎ目のない曲面スクリーン印刷が可能に!

印刷、転写、塗装、シュリンク、スタンプなど、さまざまな加飾技術を有するプラシーズ。なかでも印刷する職人の能力によって仕上がりに差が出るシルクスクリーン印刷は、得意とするところです。
今回は円筒形の帯印刷で、なおかつ継ぎ目をなくしたいという前代未聞の依頼。他社がお手上げの難易度の高いものづくりこそ「挑戦する価値はある」と意気込む開発担当者に、完成に至るまでの苦労やこだわりについてインタビューしました。
—-お客さまからどのような依頼がありましたか?
塗布体付き容器の加飾工程において、本体に嵌着したゴム製ワイパーが透明ボトルから見えないようにするために、円筒を1周するように帯を印刷する必要がありました。
生産性を考慮して、帯印刷の合わせ目に隙間をあけるのが定石なのですが、その隙間からシゴキゴムが見えてしまうので、お客さまから「隙間をあけたくない」といった要望がありました。
—お客さまの要望を叶えるために、どのような課題がありましたか?


加飾にはいくつか種類があるのですが、ホットスタンプでは帯と同色の箔が存在しなかったこと。また、転写ではロット数がまとまらず、しかも被膜が薄いので、隠蔽性に不安があったことから、シルクスクリーン印刷しか選択肢がありませんでした。
ただし、継ぎ目のない円筒形のスクリーン印刷は、過去にやったことがなく、工場長からは「1周するんですか?」と聞き直されました。おそらく他社では手に負えず、断るでしょう。
というのも、シルクスクリーン印刷で継ぎ目がわからないように美しく仕上げるのは至難の業。インクが柔らかいので、印刷の合わせ目がどうしてもにじんでしまうんです。
隙間をあけず、しかもにじみを出さないようにするためにはどうしたらいいか…。試作を重ねること1ヶ月以上。ようやく満足のいくものに仕上がりました。
—苦労した点やこだわった点について教えてください。

インクのにじみを抑えるために、合わせ目ギリギリにインクをのせる必要がありました。合わせ目ギリギリを狙うには、ミクロン単位の寸法精度が求められます。
そこで、スキージの動作精度を上げるためにメカ的な機構を工夫。スキージをシルクスクリーンから離すことで、合わせ目のインクにじみを抑えることに成功したんです。
通常はスキージをボトルの中心にセットしますが、芯を少しずらし、最初のインクの量を少なめにしました。そうすることでレベリング効果により合わせ目が隙間のない状態になり、どこから見ても継ぎ目がわからのない、美しい帯に仕上げることができました。
連続で印刷するとインクの粘度が変化し、少しずつインクが溜まってしまい、徐々ににじみが発生してしまう新たな課題が浮上。これには、スキージを上げる部品の形状を鋭角にすることで対応。上昇速度が増して精度が上がり、印刷が安定するようになりました。
安定した印刷ができるように、現状は技能士が粘度をチェックして調整していますが、今後は粘度を一定にして供給できる装置を考案したいと考えています。
—今後の展開についてどのように考えていますか?
今回のように円筒形の帯はもちろんですが、連続性のある柄や模様を継ぎ目なしでデザインしたい場合にも有効な印刷技術です。
これからも新しい技術で課題を克服し、デザインの自由度をもっと広げていきたいですね。
その悩みプラシーズに相談してみませんか?
- 自社一貫生産によりワンストップ・トータルパッケージでご対応
- 理想の容器のための独創的な「企画・提案力」
- 1932年創業だからこそできる技術力であらゆるニーズに対応可能
お電話でのお問い合わせ
03-6858-3561
受付時間:平日 10:00 ~ 17:00(土日・祝日除く)

ご相談・お問い合わせフォーム