CASE STUDY59
美しさと機能性を両立。三面鏡効果を生み出す精密設計で、容器の魅力を最大限に引き出すコフレを開発

化粧品のコフレには、商品を保護する機能だけでなく、手に取った瞬間の特別感や高揚感も求められます。
今回プラシーズが手がけたのは、「ちふれ化粧品」さまのプレステージブランド「HIKARIMIRAI」初のコフレボックス。開封時に容器が美しく映り込む“三面鏡効果”を取り入れながら、商品を守る機能や品質も成立させなければなりませんでした。
デザイナーが描いた世界観をどのように形にしたのか——紙器部門の阿部さんと営業担当の玉置さんに話を聞きました。
ブランド初のコフレに求められたもの
—-お客さまからどのようなご依頼がありましたか?

化粧品メーカー「ちふれ化粧品」さまから、プレステージブランド「HIKARIMIRAI(ヒカリミライ)」の全顔用シワ改善クリーム「リンクル セラム クリーム」発売1周年を記念し、「ブランド初のコフレを作りたい」というご相談をいただきました。
「ちふれ化粧品」さまとは以前からお取り引きがあり、クリーム容器は当社で製造していました。また、プラシーズはプラスチック容器と紙器の両方を手がけているため、セットで対応できる点を評価いただき、今回のプロジェクトにつながりました。
デザイナーの世界観を形にする三面鏡構造
—-コフレボックスの最大の特徴は何ですか?

ブランド初のコフレという特別な商品であることから、高級感を演出するパッケージが求められました。デザインコンセプトとして提示されたのが、開封時に容器が美しく映り込む“三面鏡”のような演出です。
プラシーズでは、そのイメージを実現するため、蒸着紙を使用した反射面の構成や映り込み角度の設計を担当。化粧台の三面鏡のように容器が映り込む構造によって、容器そのものの美しさが際立ち、商品価値をより印象的に伝えることができます。
単に商品を収納する箱ではなく、容器を魅力的に見せるための演出まで含めて設計したことが、このコフレの大きな特徴ですね。
美しさと機能性を両立するための設計
—-設計で苦労した点はどこでしたか?

もっとも苦労したのは、映り込み効果と容器保持機能の両立です。
容器をしっかり固定するためには、ホールド部分にある程度の高さが必要になります。しかし、立ち上がりを高くすると反射面の角度が鈍くなり、三面鏡効果が損なわれてしまいます。
そこで、容器を安定して保持しながらも、美しく映り込む角度を実現できる寸法を何度も検証。反射面を確保するため、ホールド幅は約10mmに抑えています。

また、今回のパッケージは各面に異なる配色デザインが施されているため、側面や底面のラインを正確に合わせる必要がありました。サイズが大きくなるほど張りずれや食い違いが発生しやすくなりますが、高い寸法精度によって美しい仕上がりを実現しています。
見えない部分に込めた品質へのこだわり
—-そのほかに工夫した点はありますか?

フタ側には「見返し板」と呼ばれる約2mm厚の補強材を採用しています。
見返し板は、箱を開けた際に見える内側の厚紙部分で、箱全体の剛性を高める役割があります。とくに今回のようなサイズの大きいパッケージでは、押した際のたわみを防ぎ、各面のラインをきれいに合わせるために欠かせない構造です。
さらに、マグネット機構と組み合わせることで、開閉時のしっかりとした閉まり感と高級感のある使用感を実現しています。

また、見た目には現れない部分にも工夫があります。
化粧品業界では、70cmの高さから全方向に落下させる落下試験をクリアすることが品質基準のひとつ。デザイン性を優先してホールド幅を細くする一方で、輸送や落下時にも商品を守れるよう、内部には補強材を追加しています。
美しさだけでなく、品質や耐久性まで含めて成立させることが、パッケージ設計には求められます。
デザインと品質をつなぐ、紙器メーカーの技術力
—-今回のプロジェクトをどのように振り返りますか?
今回のコフレは、デザイナーが描いた世界観を、紙器設計の技術によって形にした事例だと考えています。
美しい映り込みを実現したい。一方で、商品を確実に保護し、品質基準も満たさなければなりません。その両立は決して簡単ではありません。デザイナーが描いた世界観を、品質や機能を損なうことなく実現する。そのために構造や寸法を突き詰めていくことこそ、紙器メーカーの腕の見せどころです。
プラシーズは、容器と紙器の両方を手がけているからこそ、商品の見え方や使われ方まで含めて提案することができます。容器をどう見せるか。その視点からパッケージ全体を設計できることが、プラシーズならではの強みだと考えています。
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