合皮とは?製品づくりへの活用例も解説!

皆さん、こんにちは。
今回は、合皮の概要や特徴について解説していきます。
合皮は手軽に皮革の質感を楽しめることから、さまざまな製品に使用されています。
プラシーズでは、主に紙製コンパクト・貼箱等で使用されています。
後半では、プラシーズで仕入可能な合皮や製品への活用例についてもご紹介しますので、是非最後までご覧ください。
合皮とは?
合皮(合成皮革)とは、ベースとなる布地(基布)に合成樹脂を塗工してつくる人工の生地の事を指します。動物の皮革(本革)に外観や質感を似せていることから、別名「フェイクレザー」とも呼ばれます。
本革よりも調達・管理が容易でコストも比較的安価であることから、合皮は多くの製品に使われています。
また、近年では動物愛護の観点から、合皮が使用された製品を進んで選ぶ方も増えてきているそうです。
合皮の材質
合皮製造で使用される合成樹脂には、「PVC(塩化ポリビニル)」と「PU(ポリウレタン)」の2種類を使用することがほとんどです。
それぞれに特徴があるため、つくりたい製品に合わせて合皮の材質を選択することが大切です。
PVC(塩化ポリビニル)タイプ
PVCを使用した合皮は、固めの質感で表面はツルツルとした肌触りになります。
耐水性があり汚れにくいので、水ぶき等でメンテナンスを簡単におこなえるのが特徴です。
加えて、PUの合皮よりも比較的安価に入れられることから、合皮を使用した多くの製品で使用されています。
一方で、通気性が低いためソファーや椅子の座面に使用する場合は蒸れやすい、といったデメリットも有ります。
また、時間がたつにつれて表面がカチカチに固くなるような経時劣化がおこるため、長い期間の使用が想定される場合には注意が必要です。
PU(ポリウレタン)タイプ
PU(ポリウレタン)を使用した合皮は、弾性のあるもちもちとした肌触りが特徴です。
柔軟性も高いため、製品が曲線のある形状の場合も美しく仕上げることができます。
また、PVCに比べると通気性があるので、直接肌が触れる場合もさらさらとしており使い心地が良いです。
一方で、PUを使用した合皮は湿度や水分に弱いというデメリットもあります。
PUは空気中の水分に反応して「加水分解」という化学反応を起こします。
この加水分解が発生した合皮は、徐々に表面がボロボロとはがれてしまいます。
PUを使用した合皮はPVCよりも比較的長持ちするといわれていますが、加水分解は2~5年程度で発生するため、やはり長期の使用には注意が必要です。
合皮の製造方法
合皮の製造方法は、大きく分けて「湿式」と「乾式」の二種類の方法があります。
製造方法が異なることで、生地の厚みや後から加工した際の見栄えに違いが出ます。
湿式タイプ
基布に樹脂を塗工した後に薬剤液に浸し、樹脂を発砲させて生地に仕上げる方法で、別名「一層タイプ」とも呼ばれます。
樹脂を発砲させる事で、細かい穴のあるスポンジのような「中間層(ちゅうかんそう)」と呼ばれる層ができます。
基布に直接樹脂を塗工することでベースとなる基布との一体感が生まれるため、より高級感のあるもちもちとした肌触りの合皮に仕上がります。
また、層に厚みがあることから、エンボス(空押し)加工をすると凹凸をはっきり付けることができ、より華やかな仕上がりにすることが出来ます。
乾式タイプ
乾式タイプの合皮の製造は、まず離型紙に樹脂を塗工し一度乾燥させてフィルム状にします。
その後に樹脂を塗工した基布と接着させることで一枚の生地に仕上げます。
樹脂の層が二層になるため、「二層タイプ」と呼ばれることも有ります。
離型紙には難燃性の紙を使用します。離型紙にあらかじめエンボス(空押し)や印刷を仕込んでおけば、生地作成と加飾を一度におこなうことができます。
合皮への加工
何も加工をしていない状態の合皮は、凹凸のない平らな状態です。
もちろんそのまま使用することもできますが、塗工する樹脂を着色したり後加工を加えることで、より本革の質感に近づけたり人工ならではの多彩なバリエーションを実現しています。
シボ付け
出来上がった合皮の上に、ロール状になった凸板を転がしながらスタンプのように押し付けていくことで、細かい凹凸を付ける加工です。
シボ付けをおこなう事で、動物の表皮に見られるキメや鱗を再現し、より本革に見た目や触り心地を近づけることが出来ます。
グラビア印刷
出来上がった生地にグラビア印刷を施すことで、色ムラの表現をする加工です。
合皮にグラビア印刷をすることにより、本革のような質感をよりリアルに再現することが可能です。
二次加工
合皮には、出来上がった生地を最終製品にする際に二次加工をすることができます。
ブランドのロゴや模様を加えることで、よりオリジナリティーのある製品に仕上がります。
合皮を使用した製品づくりで可能な、二次加工の一例は以下が挙げられます。
- 箔押し加工(ホットスタンプ)
- 空押し(プレス)加工
- 縫製・ステッチ加工
- こば塗り(合皮の断面に樹脂を塗って見えないように処理する加工)
- シルクスクリーン印刷
合皮の製品への活用例
ここからは、プラシーズで合皮を使用して制作できる製品の一部をご紹介します。
貼箱
紙器の表貼りには通常、印刷紙や風合いの有る特殊紙を貼るのが一般的です。
プラシーズではそれらの紙に加えて、合皮を貼ることが可能です。
合皮を使用することにより、厚みのあるしっかりした生地感の貼箱に仕上げることができます。
ギフトボックスのような、高級感を演出したい製品の場合におすすめです。
紙製コンパクト
紙製コンパクトの表貼りにも合皮を使用することができます。
合皮は紙に比べて厚みがあるため、特に形状が複雑な紙製コンパクトは貼り合わせ作業の難易度が高くなります。
プラシーズでは、作業工程ごとの分業を徹底することで、量産時に品質のばらつきが発生することを防ぐ工夫をしています。
特殊な形状のケース
こちらの写真のケースは、一見ミシンで縫いあわせて作っている様に見えます。
実は、貼箱と同様に合皮を芯材に貼り合わせ、ミシン縫いの加飾を施すことで、本物の革製品のような雰囲気を再現しています。
このように、構造や形状が複雑な製品の場合も、貼箱の技術を応用して制作することが可能です。
プラシーズで仕入可能な合皮のご紹介:株式会社アクティバ PUレザーシリーズ「MUSE」

株式会社アクティバさんのサンプル帳
最後に、プラシーズで仕入が可能な合皮の一例をご紹介致します。
今回は株式会社アクティバさんで取り扱われているオリジナルPUレザーシリーズ「MUSE(ミューズ)」について、アクティバさんへ直接お話をお伺いすることが出来ました。
アクティバさんは、主にPUを使用した合皮生地の製造・OEMを手掛けている専門メーカーです。
本物の皮革に近い高級感のある見栄えと柔らかな手触りが特徴で、特に国内外の高級文具メーカーや飲食店向けの製品にご採用頂くことが多いそうです。
→株式会社アクティバさんのHPはこちら←
アクティバさんで取り扱われている合皮は色調やシボのパターンも豊富で、取り扱いのある合皮の種類は合計でなんと2千種類にも及ぶのだとか。
サンプル帳は彩り豊かでとても見やすい作りになっており、見ごたえ充分です。
そんな、アクティバさんの合皮のアピールポイントを教えて頂きました。
熱プレスで色が変わる可変タイプの合皮
アクティバさんの「MUSE」シリーズは、全て可変タイプの合皮です。
可変とは、生地に熱と圧力をかけたときに密度が小さくなることで、凹ませた部分の色が濃くみえる現象です。
そのため、可変タイプの合皮にお好みの形状の刻印で熱プレス加工をすることにより、まるで焼き印を入れているような重厚感のある加飾表現をすることが出来ます。
抗菌・抗ウイルス認証の合皮
MUSE」シリーズの合皮は、SIAAマークを付与した抗菌・抗ウイルスタイプの生地を作成することが可能です。
SIAAマークは、国際規格であるISOに基づいた試験に合格した製品に付与されるマークで、
目に見えない細菌やウイルスに対して、安全性と効果が証明されたものが認定されるシンボルマークです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
プラシーズは、今回ご紹介した合皮のような紙以外の素材を使用した製品づくりにも対応いたします。
この記事を読んで興味を持った方は、まずはお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
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