『真の紙製口紅容器』その正体に迫る!
皆さん、こんにちは!
化粧品プラスチック容器と紙容器を製造販売しております、株式会社プラシーズ営業部のAです!
プラシーズは「プラスチック容器」と「紙容器」のどちらも扱う少々変わったメーカーではありますが、そんなプラシーズだからこそ開発できた製品があります。
その名も・・・「紙製口紅容器」です!
こちらの容器は「100%紙でできている」世界で初めての繰り出し式口紅容器となっております。
実はここ最近のホームページやお電話からのお問い合わせで、プラシーズ製品の中でもトップクラスに多くのお客様からご相談をいただいている製品です。
今回は、そんな紙製口紅容器の人気の秘密について迫っていきたいと思います!
「紙」であるメリット
まず、なぜ「紙」で口紅容器をつくる必要があるのでしょうか。
その理由は大きく2つあり、「環境への配慮」と「廃棄の際の手間」にあります。
容器包装リサイクル法の表示義務によってプラスチックを使用している製品には「プラマーク」を表示しなければならず、「紙マーク」のみの表示ができません。
加えて、廃棄の際に分別が必要になることで消費者の方にも、煩わしさを感じさせてしまう製品となってしまうのです。
今までの紙製口紅容器
とはいえ、紙のパーツを用いた口紅容器は昨今の環境意識の高まりもあり、プラシーズが開発する以前にもすでに市場に出回っていました。
しかしそれらは「真の」紙製ではなく、主に下記の2種類のような口紅容器でした。
紙+プラスチックの口紅容器
こちらは紙管を使用しており、一見「紙感」は出ているものの、口紅を繰り出す部分(いわゆるメカ部)はプラスチックや金属でできている口紅容器です。
化粧品メーカー様としては、100%紙製であることを望まれていることが多いのですが、繰り出し式となると細かく、複雑なパーツを複数用意する必要がありました。
さらに、メカ部は可動することから耐久性も必要になるため、繰り出し部までを紙製にすることはこれまでほぼ不可能だと考えられていました。
そのため、これまでの紙製口紅容器では外観のみを紙製で、繰り出し部を紙以外の素材(金属やプラスチックなど)で製造するのが当たり前だったのです。
紙100%の口紅容器
実は、紙100%でつくられた口紅容器もすでに市場に出回っていました。
こちらは一般的な紙管のみで作られたシンプルなものになっており、脱プラスチックと言える製品となっています。ただ、肝心な構造の部分は「繰り出し式」ではなく、紙管の底部を押し上げることで中身を押し出す方式でした。
この構造には中身が下がらないように底部を抑えながら使用する必要があり、使用後は中身の口紅をキャップもしくは手で押し下げる必要があるという欠点があります。
紙マークのみでの表示こそできますが、口紅容器としての機能性と衛生面の配慮に欠ける製品となってしまっていました。
「真の紙製口紅容器」完成までのストーリー
紙製口紅容器は存在していたものの、プラシーズの「真の紙製口紅容器」が開発されるまでは、「環境配慮」と「機能性」のどちらかを諦めるしかありませんでした。
そのため、プラスチックと紙を扱うプラシーズには「機能性が失われていない100%紙でできた口紅容器は作れないのか?」とお客様からのお問い合わせを数多く頂いておりました。
その声にお応えすべく、プラシーズ内の「プラスチック事業」と「紙事業」がタッグを組み、「真の紙製口紅容器」の実現に向け動き始めました。
「繰り出し式」構造を「紙の樹脂」で実現できる!?
プラシーズが目指したのは「繰り出し式」の紙製口紅容器でした。
繰り出し式であれば、中身を出し入れする際に手が直接中身に触れることがなく衛生的で、使用時に中身が下がらない構造にすることも可能だからです。
ただ繰り出し部を実現するためには、どうしても樹脂を使用したパーツを作る必要がありました。
樹脂のような特性を持つ紙などあるのか・・・と調査したところ、なんと発見したのです!
それは、プラスチック樹脂に紙パウダーを51%含んだ、「MAPKA®(マプカ)」という素材でした!
主原料が『紙』のマプカを発見!
プラスチック樹脂に対して、紙パウダーが約51%配合された材料であるマプカは、「紙でもプラスチックでもない」ため容器包装リサイクル法における表示義務がありませんでした。
マプカで成形された製品は紙マークは付けられないものの、紙の配合率が材料の半分以上を占めていることから、「紙製」と謳うことができます。
廃棄処分をする際も、マプカの燃焼カロリー(焼却場で熱される際の温度)がプラスチックよりも低く、紙と同等であるため、燃えるゴミとして廃棄することが可能となります。
まさしく「紙製樹脂」といえる、ほかに類を見ない素材なのです!
私たちは、この樹脂を使用して繰り出し部を作り、外側に紙管を組み合わせれば「機能性&衛生面の課題」「環境配慮・分別廃棄の課題」これら全てを解決できると確信しました!
これが「真の紙製口紅容器」実現の第一歩でした。
マプカを使用した成形はすぐにはうまくいかず・・・
マプカを使った繰り出し部の試作を始めましたが、とんとん拍子に事は進みませんでした。
一番の課題は成形時の温度にありました。
繰り出し部はマプカのペレットを溶かし、金型に流し込むことでパーツが成形されます。
この時にマプカの温度が高すぎると、紙含有率の高さから焦げやすくなってしまうのです。
製品が焦げてしまうと当然、見た目に甚大な影響を与えることになります。
逆に温度を下げ過ぎてしまうと、今度はマプカの金型への流れが悪くなります。均等にマプカが流れ込まないことで、成形不良を起こす原因になってしまいます。
困難はあったものの、今年で創業90年を迎える老舗プラスチック容器メーカーであるプラシーズの意地と技術力で、マプカを焦がさずに成形不良を防ぐことができる樹脂温度を探り当てました。
こうして、何とかマプカを使用した口紅容器の繰り出し部を成形することに成功しました!
「真の紙製口紅容器」とうとう完成! 展示会の反応は・・・?
やっとの思いで完成したプラシーズオリジナルの「真の紙製口紅容器」は、2022年1月に行われた化粧品開発展にて初お披露目となりました。
外側だけではなく、内側も紙で出来た「真の紙製口紅容器」は、想定以上に多くのお客様にご興味を持っていただけました!
化粧品開発展に出展する前に、プレスリリースで紙製口紅容器について発信していたので、「この口紅容器を目当てに訪れました!」とお声をかけて下さるお客様もいらっしゃいました。
プラシーズの紙製口紅容器はこの化粧品展示会を皮切りに、現在まで様々なお客様からお問い合わせを頂ける製品となりました!
「真の紙製口紅容器」のこれから
以上が、プラシーズオリジナルの「真の紙製口紅容器」の製作秘話でした!
ここからは、紙製繰り出し容器の今後について少しだけお話したいと思います。
渾身の容器!しかし課題あり・・・
こうして様々なお客様から、多くのお問い合わせを頂くまでになったプラシーズの紙製口紅容器ですが、まだ課題もあります。
それは、充填方法が限られている点です。この紙製口紅容器の充填方法は、「オジーブ充填方式」と呼ばれる方法で充填することを想定しております。
オジーブ充填方式は最近ではあまり用いられない充填方法で、この方法に対応しているOEMメーカー様がなかなかおらず、化粧品メーカー様にご採用いただけない事例がありました。
充填方法を改めた、第二の紙製口紅容器!
そんなお声を受けて、現在試作しているのが「直接充填ができる紙製口紅容器」です!
こちらも外側は紙筒で繰り出し部もマプカを想定しています。
形状としては、市販されているリップクリーム容器をご想像いただければ幸いです。
詳しくはまだお伝え出来ませんが、こちらも完成でき次第、プレスリリースやブログで発信させていただきますので、ぜひご覧いただけると幸いです!
「真の紙製口紅容器」はプラシーズだけ!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
「真の紙製口紅容器」をつくるプラシーズの技術にご興味をお持ちいただけましたら、「お問い合わせフォーム」または「お電話」にて無料でお問い合わせいただけます!ぜひ、お気軽にご相談ください!
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