【スライドルージュ探検隊②】 「スライドルージュ」の制作秘話

【スライドルージュ探検隊①】 前身となる「ワンタッチリップ」の制作秘話

~前回までのあらすじ~

製品開発部に所属する新入社員「S」「A」「K」は、プラシーズの技術力を語る上で必要不可欠な製品、「ワンタッチリップ」について、謎の大ベテラン「上司X」との対話を通じて、プラシーズが作る製品や技術力を学び、世界へアピールしていく使命を託されたのである。そしてその第一弾として、プラシーズが世界に誇れる製品「ワンタッチリップ」のフィールドに足を踏み入れたのである。

ワンタッチリップは、片手で口紅の繰り出しから蓋を開ける動作までを一度に行うことができるという画期的かつ、プラシーズの技術の英知が詰まった製品であることを「上司X」から聞き、完成させるまでの過程では様々な苦悩があったことを発見したのである。

充足感に浸っている3人であったが、上司Xから一回の動作で蓋が閉まるように改良した「スライドルージュ」という、ワンタッチリップの進化系があるとの驚きの一言により、3人は「スライドルージュ」の謎を解明すべく、探索を続行するのであった。。。。!!

スライドルージュってなに??

【S】スライドルージュってワンタッチリップとどこが違うんでしょうか、、?

【上司X】試しに1回使ってみてごらん♪

【S】あ!ワンタッチリップと同じように閉めたのに勝手にフタが閉まる!

【上司X】そうなんだよ!スライドルージュは、ワンタッチリップの良かったところはそのままに、改良を重ねた開発部の渾身の製品なんだよ!!!

【A】 すごい熱量、、!!それほどに誇れるものということですね!

【K】ワンタッチリップやスライドルージュの話を聞いていると本当に努力と知識がふんだんに使われていることがわかるね。

【S】ワンタッチリップをスライドルージュのような構造へと進化させたのはどんなきっかけがあったのですか?

【上司X】それはね・・・・

スライドルージュ制作秘話

【上司X】きっかけは、営業担当者が得意先の伊勢半様に通っていたときに、口紅容器でなにかないか?という相談があったんだ。その同時期にちょうどワンタッチリップの特許が切れるということで、この際
に提案してみようかという流れだったんだよね。

それで提案してみたら「いいね!」って言ってくださって、採用されることになったんだ!

【S】すごいグッドタイミングですね!でも、特許は切れてはいるけど、全く同じ形状のものを他社で採用することは許されるんですか?

【A】たしかに。野々川様のワンタッチリップが販売されているところに全く同じ形状のリップが他社で出ていたら、なんだかややこしい話になりそう…。

【上司X】二人が言っているように、やはりワンタッチリップとまったく同じ形状ではだめで、特許が切れてもワンタッチリップを販売し続けている野々川様への兼ね合いもあるからね…それに伊勢半様の担当の方が、「形状を変えてオリジナル性を出したいし、ワンタッチリップを蓋が閉まる構造にしたら面白いよね」と言っていただいたことで、ワンタッチリップを進化させた「スライドルージュ」を作る方向性が決まったって感じかな。

【K】なるほど! やっぱりお客様は他社とは違う形状で製品自体の差別化を図りたいってことですもんね。

【上司X】そうだね。化粧品はやっぱり中身も大事だけど、他社と比べても見た目が消費者の目に留まってくれないと中身まで気にしてもらえないこともあるし、やっぱりデザインがより優れているものを売りたい!というのが、僕たちのお客様の本音なんだよね。

でも、オリジナルの容器を作ろうとすると、金型を作ったりして初期費用が掛かることで製品一つの単価が上がってしまう。でも容器はオリジナリティを出して他と差別化を図りたいというジレンマが発生するんだ…。まあ言ってしまえばコスパが良いかどうかって事なんだけどね。

【S】ん~なるほど。そういったデザインとコストの兼ね合いによる、もどかしさがあるんですね。

【上司X】ワンタッチリップもスライドルージュも、今までにはない構造だから、もちろん金型を新規で起こしているしパーツ数も多い、初期費用は相当高いものだったと思う。

でも、コストをかけてでもプラシーズに製作を依頼していただけた分、こちらも頑張らなければと思うし、「お客様のご要望を聞き入れて一から製品を作っていく、これこそがプラシーズの得意分野なんだ!」

君たち3人にはこのことは強く言っておくよ!

【一同】はい!!!

【上司X】ところで、話がだいぶ逸れちゃったね(笑)

さっきまで何の話をしていたんだっけ??

【A】えっと、、あ! スライドルージュを製作するきっかけです!

【K】ワンタッチリップの特許が切れたことがきっかけで、ふたを閉めるところまで一度にできるようにしたスライドルージュを製作するに至ったわけというところまでお聞きしました!

どのようにその構造を思いついたのですか?

【上司X】最初は頭を抱えたけど、似たようなものがあるのかひとまずネット検索してみたんだよね。化粧品ではまずないだろうから、文房具ではあるんじゃないか?って思って、「スライド式 文房具」って調べてみたんだ。そしたら、ハンコ付きスライド式ネームペンってのが出てきて、これだ!!って。

【一同】ほんとだ!!

【S】いまのスライドルージュと似た構造をしてますね!

【上司X】そうなんだよ!それで早速購入して構造を見て、蓋と紅の繰り出し操作をする部分を一体にすることで、蓋開けから蓋閉めまでを一度にできることはわかったんだけど、なんせごつくて重い…。金属を使っていたからというのもあるけど、キャップと繰り出し操作部のパーツが3つ以上あって多かったんだ。でもこれをどうにかできれば実現できるってわかったことはでかかったなあ。

【A】文房具からヒントを得たのは面白いですね!化粧品に拘らず、世の中の色んなものが参考になるんですね!

そこからいったいどういう工夫を凝らして、スリムで軽量の構造にしたんですか?

【上司X】スライドルージュを分解すると、蓋と繰り出し操作部の間にある柔らかい素材を見てほしい。その部分、実は蓋と一体になっているんだ!

しかもすごく小さい設計でキャップと繰り出し操作部のパーツをたった2つにすることで、大げさな嵌合部がなくスリムで軽量化を図れて、もちろん蓋開けから繰り出し、蓋閉めまでを一度にできる構造にすることができているのだ!!

【K】ほんとだ!蓋に薄いぺらぺらしたパーツが蓋に対して垂直方向にくっついていますね。それらが一体になっているから接合部がシームレスになっているんですね!

【上司X】よくみているじゃないか!その通り!

【K】ありがとうございます!

このほかにどこか工夫した点ってあるんですか?

【上司X】スライドルージュを繰り出して蓋閉めまでしてみてほしい。最後ふたを閉めるとき、カチッと音がするでしょう?でもそれ、蓋と本体が嵌合する音ではないんだ。

【一同】そうなんですか!?

【上司X】そうそう(笑)実は繰り出し操作部と本体のレール部がわざと音を鳴るような構造にしているんだ。

【S】なんで蓋と本体でカチッととまらないんですか?

【上司X】蓋が空いているとき、蓋はずっとスライドルージュのレールの壁に垂直にいることになるよね。蓋を閉めるとき、繰り出し操作部を垂直上方向に押しきることでさっきみたやわらかいところが蓋を水平に戻そうと反発することで「蓋が閉まっているように」見えているだけなんだ。その反発力だけで蓋が本体とカチッと嵌合することは難しいんだよね。

でもカチッと鳴ることで使う人が蓋が閉まったことを確認できるからこういう構造にしたんだ!

【A】すごい、、そんなところまで考えられているのですね…。ちなみに、構想から製品化までどのくらい時間がかかったんですか?

【上司X】そうだね、構想開始からお客さんに製品のOKをもらうまで大体1年ぐらいかかったかな~

【S】ちなみに通常の製品ならどのくらいでOKをもらえますか?

【上司X】通常は大体3か月くらいだから…。3、4倍くらい?

【S】3、4倍、、!! やはりかなり時間はかかったんですね。

【上司X】まあかなりイレギュラーな製品だったから仕方ないかなあ。寝ずに構造のこと考えてたりしてたし(笑)

でもその甲斐あってワンタッチリップよりも機能的に向上したものを作ることができたし、本当に満足しているよ。

スライドルージュのこれから

【A】スライドルージュもワンタッチリップと同様に、よりいいものに進化できたらいいですよね!

【S】【K】うんうん!!

【上司X】そうだね~まあ特許の関係で難しくなるけどそのスタイルがやっぱり理想だよね!

お客様のどんな要望にもお応えして一から製品を作る技術力が、いろんなお客さんに広がればこんなにうれしいことはないからね!

だから、これからは君たちが「面白い構造」や「こんなのがあったら便利!」なんて思う容器を考えてもらって、日本中の化粧品容器を面白く、いや、世界中の化粧品容器を面白くしていってくれ!!!

【一同】はい!!!!!

こうして新入社員3人のプラシーズの技術への探索がひとまず終了した。

さて、次はどんな製品が3人を待っているのだろうか、、、