【事例紹介付】肉厚で美しいジャー容器、製造の秘訣とは?
皆さん、こんにちは。
プラシーズでは、様々なカテゴリの化粧品容器を日々製造していますが、今回の記事ではジャー容器にフォーカスを当ててご紹介していきます。
ジャー容器を高いクオリティで製造するために、容器メーカーとしてどのようなことに取り組んでいるのか、記事を読んでいただいた方のご参考になれば幸いです。
ジャー容器とは?
ジャー容器とは、高さが無く、口元が広く開いた形状の容器全般を指します。
主にスキンケア向けの化粧品に見られるような、クリーム状になったバルク(中身)を使用するのに適した容器です。
ジャー容器の中身を使用するときは、付属されているスパチュラや指で直接中身をすくい出して使用します。
ジャー容器の構造
ジャー容器の構造は、作りたい製品のコンセプトによって異なります。
使用したいバルクとの相性や実現したいデザインによって、使用するのに適している樹脂の材質がそれぞれ異なるためです。
例えば、「バルクとの相性を考えるとPPを使用したいが、容器の見た目は透明感を出したい」場合は、ネジ部やバルクが直接触れる部分のみをPPで成形し、容器の外側を透明度のより高いPETで成形することがあります。
または、内容器と外容器の2パーツに分けて成形し、後から組み立てて完成させる方法もあります。
もちろん、内容器と外容器の区別が無く、全て同じ材質の樹脂で一体で成形されているタイプのジャー容器もあります。
皆さんも、化粧品売り場にあるジャー容器を見比べて頂くと面白いかもしれません。
ジャー容器の加飾
成形したジャー容器にはさまざまな加飾(2次加工)をすることが可能です。
プラシーズでは、下記の加飾設備を自社工場内に保有しており、ジャー容器の成形後に続けて加飾工程をおこなうことができます。
- シルクスクリーン印刷
- ホットスタンプ加工
- ラベル貼り加工
- シュリンク加工
- 塗装
各加飾については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
箔押しで化粧品容器に輝きを!~金属光沢からホログラムの表現まで~
【プロが解説】加飾とは?塗装の基礎知識からよくある失敗まで徹底解説!
プラシーズのジャー容器製造時の取り組み
ここまで、ジャー容器とは何ぞや?の部分について説明してきました。
ここからはジャー容器の製造において、プラシーズが強みとしているポイントや、お客様の要望に沿った容器を製造するために取り組んでいることについて、ご紹介します。
自社型活用でイニシャルコストを削減
ジャー容器に限らず、プラスチック樹脂での成形には必ず製品の形状を模した金型の用意が必要です。
しかし、金型を新規作成するには百万円単位の費用が初期費用としてかかってしまいます。
そのため、これから化粧品事業を拡大していきたいお客様や、容器のコストは抑えてバルクにより力を入れたいと考えているお客様にとっては、いきなり金型の新規作成に踏み切ることは中々難しいと思います。
そこで、容器メーカーが自社型として保有している金型をご活用いただくことで、金型へのイニシャルコストを抑えてジャー容器を製造することが可能になります。
プラシーズでも、サンプル容器としてお使いいただけるような小容量の物から、大容量向けの大きなサイズまで、多様な形状のジャー容器型をご用意しております。
このHP内にも、自社型の製品一覧を掲載しておりますので、是非ご覧ください。
オリジナル形状のジャー容器も、形状設計からサポート
希望するデザインの具現化だけではなく、機能性との両立、量産までを見越した製品設計の提案力と、お客様のご要望に対する細かな試作への対応力の高さは、プラシーズの大きな強みといえます。
プラシーズは、長年化粧品容器の製造に携わっていることで培われたノウハウを活かし、特に下記のようなジャー容器の製品化において、多くの実績と化粧品メーカー各社様からの高いご評価を頂いています。
- 高級感のある肉厚な製品
- デザイン性の高い製品
- 高価格帯ブランドで高い品質の求められる製品
高い成形技術で肉厚成形を実現
ジャー容器の中でも、特に肉厚で重量のあるデザインの容器は、まるでガラス容器と見紛うような高級感と重厚感を演出することができます。
しかし、肉の厚い容器の成形を実現するには、高度な技術と特殊な成形ノウハウが求められます。
プラシーズでは、インサート成形と呼ばれる方法を応用して肉厚なジャー容器の成形をおこなっています。
インサート成形とは、金型にあらかじめ別の部品をセットし、そこに樹脂を流し込んで一体に成形する方法です。
通常は金属のネジなどの異素材とプラスチックを複合成形するために用いられます。
実際の肉厚ジャー容器の製造では、まずネジ部や容器の内側になる部分を先に成形し、成形された部品(中子)を別の金型にセットします。
セットした中子の外側にさらに樹脂を注入して一体に成形することで、希望する肉厚のジャー容器に仕上げます。
このように、成形を2回の工程に分けておこなうことで、肉厚の違いから生じる収縮のバラつきや、厚肉部のひけを防ぐことができます。
また、2回の成形を同色同素材の樹脂で実施する場合は、金型1型でインサート成形することが可能なので、イニシャルコストの低減にも繋がります。
設計~納品までワンストップで対応
プラシーズでは容器の設計~納品までの管理を全て一括でご対応させて頂く事が可能です。
成形・加飾といった各工程ごとに外注依頼をすることはできますが、依頼先が複数社にまたがってしまうと、各社間の品質や納期の管理・調整の負担も増えてしまいます。
一社で一括管理することによって品質管理を安定しておこなえるほか、
窓口を一社に集約することにも繋がりますので、やりとりもスムーズです。
プラシーズのジャー容器製造事例をご紹介!
ここまでお読みいただきありがとうございます。
最後に、プラシーズが実際に製造を担当させて頂いたジャー容器の事例を紹介します。
超肉厚容器の製品化を実現
最大肉厚21.6mmのPET肉厚透明容器。ガラスを超える透明感と美しさにメーカーも大絶賛!
まずはこちら。PET樹脂製のジャー容器ですが、最大の特徴はその肉の厚さにあります。
最大で21.6mmにもなりますが、その分成形の難易度も非常に高かった製品です。
PETは透明性が高く・耐熱性に優れた樹脂ですが、冷えると結晶化して白濁しやすいという特徴があります。
そこで、PETの中でも透明性や成形性が異なる数種類のグレードを使って試作を繰り返し、シミュレーションツールでも予測が難しい成形条件を割り出すことに成功、製品化に繋がりました。
複雑な形状のジャー容器にも対応
️肉厚が不均一な複雑形状、インサート成形を駆使してガラスと見間違う透明感と無駄のない美しさへ到達
こちらのジャー容器も、高い透明度が特徴的な肉厚な形状の容器です。
こちらの容器は、角の肉が厚く平面の肉が薄い特殊な形状をしていることから、
インサート成形をするための中子の形状をどのようにするかがポイントとなりました。
加えて、お客様のご要望である高い透明感を表現するために、アイオノマー樹脂という材料を採用しました。
アイオノマー樹脂は、透明性が高く低い温度でも成形できる性質があることから、肉厚で透明な製品の材料に適しています。
樹脂特性のノウハウを活かし、細かな成形条件の調整を繰り返すことで実現することの出来た容器です。
異素材と組み合わせたキャップ
️これぞプラシーズの真骨頂!環境配慮型素材「竹」をキャップに使用したサステナブルなバーム容器
続いてはこちらのキャップ。
キャップの内側は通常のプラスチック、外側はなんと本物の竹を材料に使用しています。
プラシーズでは、紙製品の製造ノウハウを応用した木製化粧箱など、木工製品の取り扱いも可能である事から製品化を実現することが出来ました。
プラスチック容器だけでなく紙器も取り扱うことのできる、プラシーズならではの製品事例です。
リフィルが可能な構造のご提案
️リフィル対応容器の新機構を自社開発。部品を減らしてCO2排出量とコスト、使い手の労力も大幅削減
こちらのジャー容器の大きな特徴は、ジャー容器本体とリフィル容器のみで詰め替え作業が完結できることです。
リフィル容器の蓋についている凸部分をジャー容器の底部の穴へ押し込むことで、簡単にリフィル容器を取り外すことができる構造を考案しました。
付け替え用の別部品が不要で、蓋以外のリフィル容器はそのまま捨てずに活用できるので、プラスチック使用量の削減にもつながりました。
一方で、リフィルの機構を目に付きにくい底部に配置し、容器自体の高級感を損なわないことにもこだわっています。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
プラシーズ本社内にあるショールームには、今回ご紹介した事例の他にも、ジャー容器のさまざまな実績品を展示しています。
実際に製品を手に取っていただくことで、プラシーズのモノづくりへのこだわりを感じて頂けると思います。
この機会に是非一度お立ち寄りください。
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