実績品紹介!プラスチックボトルの材料と特徴
こんにちは、プラシーズです。
突然ですが、みなさんはプラスチックのボトルと言ったら何を思い浮かべますか?多くの方は「飲料用のペットボトル」を思い浮かべるのではないでしょうか。
ですが、ペットボトル以外にも、「シャンプー」や「水筒」、「化粧品の容器」などもプラスチックのボトルで出来ています。
プラスチックのボトルは透明なものばかりではなく、様々な色を付けることが可能なため、同じ材料でつくられていても気づかないことも多いです。
今回の記事では、そんなプラスチックのボトルについて解説し、プラシーズがつくった製品の種類と材料、成形方法について紹介していきたいと思います。
プラスチックとは?
まずは、プラスチックについて詳しく解説していきます。
プラスチックとは、合成樹脂とも呼ばれており、人工的にたくさんの分子を合成した樹脂という意味で、石油を原料とした素材です。
ちなみに、英語でのプラスチックとは「自由に形をつくれる」という意味になります。
プラスチックの特徴
メリット
- 金属やガラスなどと比較して軽く、水や薬品に強い
- 加工性に優れている
- 大量生産が可能で値段が安い
- 衛生的である
デメリット
- 他の材料と比較して熱に弱く、燃えやすい
- ほこりがつきやすい
- 紫外線に弱く、屋外では劣化が早い
- 金属材料と比較して、表面が柔らかいため、傷がつきやすい
プラスチックの種類
プラスチックは「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」の2種類に分けられます。
熱可塑性樹脂は加熱すると軟らかくなり、冷やすと固まる性質を持ち、さらに「汎用性プラスチック」と「エンジニアリングプラスチック」に分けられます。
また、熱硬化性樹脂は加熱すると硬くなり、元には戻らない性質を持ちます。
汎用性プラスチック
日常生活において最も多く使われています。加工温度100℃未満で変形できるようになるため、成形しやすいという特徴があり、以下のような種類があります。
PE(ポリエチレン)
電気絶縁性、耐水性、耐薬品性に優れている。白っぽく不透明であり、加飾しやすい。
PVC(ポリ塩化ビニル)
燃えにくく、軟質と硬質がある。表面のツヤや光沢が優れ、印刷しやすい。
PS(ポリスチレン)
着色が簡単で、電気絶縁性がよい。
PP(ポリプロピレン)
軽量で繰り返し折り曲げに強い。
PE、PVC、PS、PPは汎用性プラスチックの中でも、「4大汎用プラスチック」と呼ばれています。
その他にも以下のような汎用性プラスチックがあります。
AS(アクリロニトリルスチレン樹脂)
透明性が高く、加飾しやすい。機械的強度・耐薬品性・耐油性・耐熱性あり。
ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂)
3種類のプラスチックの特徴を持ち、機械的強度のバランスがとれている。
PET(ポリエチレンテレフタラート)
透明性に優れ、強く、ガスバリア性に優れている。
エンジニアリングプラスチック
100℃以上の耐熱性を実現したプラスチックです。高性能であることを求められる工業用品によく使用されていますが、価格は高価になってきます。種類は以下のようになっています。
PA(ポリアミド)
機械的強度が強く、加工がしやすい。
PC(ポリカーボネート)
透明性が高く、寸法特性が良い。また、紫外線にも強いため、屋外での使用に適している。
耐薬品性は低い。
プラシーズで主に使っているプラスチックボトルのプラスチック樹脂は、PET、PP、PE、ASです。PETを使った製品が一番多く、次にPPを使った製品が多くなってきます。
プラスチックボトルの成形方法
続いて、プラスチックボトルの成型方法を樹脂の特長について交えながら解説していきます。
以下はプラシーズで行っているプラスチックボトルの成形方法です。
インジェクション成形
加熱して溶かしたプラスチックを金型内に注入し、充填することで成形します。主に熱可塑性樹脂の成形に用いられますが、まれに熱硬化性樹脂にも用いられます。肉厚の薄いものや複雑な形状などを高速に成形できるため、大量生産に適しています。
ブロー成形
プラスチックのボトルは主にブロー成形で成形しています。溶融樹脂の内側から空気を吹き込み、膨らませて成形します。PETやPPは伸びやすさが均一ではないため、ブローしにくいです。さらに、PPはブローするとツヤがなくなってしまうというデメリットがあります。
ブロー成型はさらに以下のような種類に分かれます。
ダイレクトブロー成形
加熱し溶かした樹脂を押し出し、円筒状のパリソンを成形します。それを冷却、固化させず、金型内に入れて、空気を吹き込んで成形します。底部にバリが残ってしまうことがあり、バリを除去しても樹脂と樹脂の結合の痕がのこります。大量生産に向いている成型方法です。
ストレッチブロー成形
インジェクション成形でパリソンを成形し、そのパリソンを冷却、固化させます。その後再び加熱して、ブロー用の金型に移し、空気を吹き込んで成形します。
軸方向と径方向の2軸方向に伸ばし、膨張させます。円周方向の延伸と軸方向の延伸をバランスよくすると、強度や透明性、ガスバリア性を向上することができ、ペットボトルもこの方法で成形されています。
インジェクションブロー成形
インジェクション成形でパリソンを成形した後、冷却します。このパリソンをブロー用の金型に移してブロー成形する方法です。底面に結合の痕が残らないことや重量や肉厚のバラツキなどを抑えやすい点がメリットです。
プラシーズの取り組み
最後に、プラシーズで作っているプラスチックボトルについて紹介いたします。
プラシーズでは、長年化粧品の容器を扱っており、大きさや形や色の違う多くのプラスチックボトルを成形してきました。
プラシーズ製品は、以下のような流れで生産されています。
まず1つ目に、化粧品の中身との相性や落下強度、バリア性などの機能性を重視します。
中身の品質を保ち続けるボトルでなくてはいけません。
2つ目に色やツヤなどの外観を決めます。1種類の材料を使い、外観と内側を成形していきます。
3つ目に材料に合った成形方法により、成形します。
そんなプラシーズの製品事例を、2つ詳しく紹介します。
1つ目は、株式会社アルビオン様の製品です。プラスチック樹脂にPPとバイオPEを使い、ダイレクトブローにより、成形をしたボトルです。成形する際、PPだけでは、ふくらみづらいという難点がありました。
そこで、PPよりも耐熱温度が低く、やわらかいPEを混ぜることにより、この問題が解決され、製品が生まれました。さらに、落下強度の弱さを改善するため、底部の形状を変化させたりもしています。あえて塗装をせず、プラスチック材料のグレードを変えることでマット感を出しているのも特徴です。
ここで、化粧品の中身について少し見ていきます。
ボトルの中身は主に水溶性成分、油溶性成分、界面活性剤、顔料・粉体から成り立っています。水溶成分は水に溶けやすい成分であり、水、エタノール、多価アルコールに分類されます。油性成分は、皮膚に対する保護のため、乳液、クリームなどに配合される成分です。界面活性剤は、水と油のように混じり合わないものを混ざりやすくするものです。
こちらの製品の中身は、パウダーです。パウダーは水分に触れた状態が続くと効果がなくなってしまうため、プラスチックの材料に吸水性が低いPEを使い、中身の安定性を保っています。また、中身にはエタノールやBGといったアルコールも含まれています。エタノールやBGは、ヒドロキシ基(-OH基)を持ち、光が当たると劣化してしまうので、遮光性がある半透明で白っぽいPEが適しています。
2つ目は、バーバー株式会社様の製品です。プラスチック樹脂にPETを使い、ストレッチブローにより、成形をしたボトルです。中身をとても重要視しているため、透明なデザインとなっています。
ツヤと透明性を出すためPETを使い、四角い形状にするにはストレッチブローが適しています。ストレッチブローをすることで、さらに透明性を向上させています。
ボトルの中身の成分は、スクワランでできています。スクワランは、油溶性成分でメチル基(-CH3)が4つついた化学的構造をしています。このメチル基が多いことで光に当たっても劣化しないという特徴があります。
上記以外にもASを使ってインジェクションブローにより成形をしたクリームボトルやアペルを使ったインジェクションブロー製品もあります。
アペルは環状オレフィンコポリマー(COC)と呼ばれていて、PPやPETに比べ、水や空気を吸いにくくなっています。そのため、中身が粉物の時は重宝されます。また、プラスチックでありながらガラスのような感触を実現することが可能です。
おわりに
プラシーズでは、様々な形のプラスチックボトルを成形し、現在も多くの新しい取り組みをしております。「こんな特徴の容器がつくりたい!」などのご要望がありましたら、ぜひ「お問い合わせフォーム」または「お電話」よりご連絡ください。お客様の製品の特長に合わせた容器をご提案させていただきます。
プラシーズのホームページでは、今回紹介したボトル以外にも多くの製品について紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
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