『設計』+『サンプル』⇒【モノづくり】紙函から知る設計とサンプル

『設計』+『サンプル』⇒【モノづくり】紙函から知る設計とサンプル

プラシーズでは化粧品容器の製造以外にも、紙器の開発に力を入れております。今回の記事では、貼り函や紙製コンパクトなど数多くの製品が展開される紙器について、設計の面からご紹介したいと思います。

オリジナル容器のリードタイム短縮

『設計』と『サンプル』

『設計』、『サンプル』この2つは製品を作る際に大きな役割を持つキーワードです。
まずはそれぞれの意味を解説していきます。

『設計』について

モノづくりをする上で、『設計』は重要な立ち位置にあります。

何気なく使用している製品が、なぜこの大きさなのかや、なぜこの形状なのかについて、あなたは考えてみたことはありますか? 『設計』をすることは日常で問題なく使用できるレベルの製品を作り上げることです。

もし、この行程をおろそかにしてしまえば、製品が世の中に流通した後に問題が発覚し、回収騒ぎになるなど多方面に悪影響を与えることになってしまいます。そのため、設計者は常に利用者の目線に立ちながら、より良い製品を、欠陥なく作れるような設計を行っています。

また、設計の方法は容器や材料の種類によって変わります。2DCADや3DCAD等を用いて図面データを設計し、完成したデータは工場などへ製造を発注する際に使用したり、金型作成に用いたりと随所で活用されます。

『サンプル』について

プラシーズのような容器メーカーは、図面を作成して製品設計を行いますが、サンプル作成の重要性は身に沁みて理解しています。

設計図面上では問題が無くても、生産をしたら不良が出てしまった、なんてことはよくある話です。そこで、製品のサンプルを作成することで、製品の問題点を生産前に確認できるようになります。

このサンプルは、試作品や調整品、完成品など色々な場面で登場し、プラシーズの製造する紙器やプラスチック容器では、必ず作成することになっています。

紙器の函

紙器には紙製コンパクトやパルプモールド品など多くの製品がありますが、今回は紙函に注目してみましょう。
紙函には「貼り函」と「折り函」の2種類があります。

ここでいきなりですが、問題です。下の写真はどちらの紙函でしょうか。少し考えてみましょう。

外見でどんな函か分かるかな?)

外見でどんな函か分かるかな?

ボール紙でできた函ですが、きれいな緑色の紙が表面に貼られていますね。
さて、どちらの紙函だかわかりましたか?

正解は・・・

貼り函でした!

ここからは、こちらの函が何故貼り函と言われるのかを、折り函の特徴と一緒に解説していきます。

貼り函

貼り函とは、函状に組み立てた下地となっている紙の上から模様やデザインの入った紙を貼って完成する函となっています。函を開けた際、内部や隅に注目すると貼り付けた紙を折った部分が見えることがあります。

この函の表面には、印刷紙以外にも本革や合皮などの革、純絹といった布も貼ることができます。外観だけでなく、触った際の質感まで変えられるので利用シーンや、ニーズに合わせて幅広い対応ができる函になっています。

また、内部の設計も柔軟に変更ができます。先ほどの写真の貼り函を開くと、デザインや内部構造にも設計者のこだわりが詰まった設計になっています。

貼り函の工夫だらけの内部

貼り函の工夫だらけの内部

「折り函」

貼り函が下地の紙の上にデザイン等が入った素材を貼り付けるのに対して、既にデザイン等の入った紙を切り出して組み立てた函が折り函です。こちらも貼り函と同様に外見及び内部の設計、デザインに設計者の創意工夫が施されています。

紙函設計の想い

函は一番最初に目に留まり、手に取っていただく物であり、その商品の価値を決める第一歩となる重要な物です。また、その商品のコンセプトを伝えるため、函の設計によってお客様への想いを再現しています。

今回の問題に出てきた写真の貼り函は、左右から商品を包み込む形状になっており、大切な商品を包む日本の文化、お客様への感謝の気持ちを表しています。

紙器のサンプル設計

ここからは、紙器のサンプル設計の流れを見て、設計者はどのようにしてお客様の要望に答えているのかをご紹介します。

紙器のサンプル設計の流れ

プラシーズでは2DCADを使用した紙器設計を行っており、平面の図面から立体に起こして製品に仕上げていきます。

以下は、基本的なサンプル設計から作成までの流れです。

  1. お客様から依頼された内容を元に紙函を設計し、図面を作成。
  2. 作成した図面データをカッティングプロッターに出力。
  3. 寸法通りに切り抜かれた厚紙を手で組み立てて、サンプルの完成。

基本的には、このような流れでサンプルを作りますが、函の構造がシンプルな場合、手書きで設計を行い、カッターや定規等を用いて、サンプルを作成。その後に2DCADを使って図面を書き上げるなんてこともあります。

サンプル試作で形状が決定したら、加飾の確認に移ります。決定形状に基いたデザインを作成し、印刷を行った最終の見え方をサンプルとして作成します。このサンプルが承認をいただけると、本生産が行われます。

紙器サンプルのメリット・デメリット

サンプルの段階であれば、設計に変更があってもすぐに寸法の再設定や、問題点の検証を行い対策を練ることができます。試作したサンプルは設計者にとって重要な情報源であり、判断材料となるのです。

一方で、紙器の製作は人の手で行う工程が多く、作業者による品質のばらつきが発生しやすいです。

プラシーズでは設計時に作業区分を行い、生産時には1人が1工程のみを担当することで、人によるばらつきが発生しないモノづくりを行っております。

サンプル作成にあたり、心掛けているのは本生産時の品質です。1個だけの見本であれば、職人の技で仕上げることは可能です。しかし、目指すものは製品であるため、量産の際に安定したモノづくりが行える設計を心掛けています。

プラシーズの紙器設計の強み

今年で創業90年となるプラシーズには、長年の技術力という強みがあります。その強みは紙器設計にも通じ、「対応力」と「アイディア力」は他社に負けないと自負しております。

対応力

お客様からの注文に対し、物理的に不可能なことでなければチャレンジさせていただきます。どんなに難しい物であっても、手間をかければ再現は可能になりますので、ご予算に応じ設計を行います。

アイディア力

90年の間、蓄積されたプラシーズの知見から多種多様なご提案が可能です。

紙函の設計には設計者が手を加えることができ、オリジナルの製品をお作りいただけます。図面設計やサンプル作成を行う中で、よりよい製品にするためのアイディアをご提案することができます。

以上、2つの力を活かしてお客様の想いをカタチにできるよう積極的にチャレンジし、お客様の納得のいくモノづくりをさせていただきます。

まとめ

プラシーズの紙器設計では、設計を行い、サンプルを作成して確認、変更の有無による再設計、サンプルの作成・・・と、このサイクルを繰り返すことでお客様が求める紙器に仕上げていきます。

『サンプル』の確認で再設計が必要な箇所などの情報を集め、変更を反映、図面データを作り上げることが『設計』になります。その後、完成品のサンプルを作成して、承認をいただいたらいよいよ本生産に移ります。

ここまでで『設計』と『サンプル』は密接な関係があることをお伝えしました。

今回は紙函の設計に焦点を当てて解説しましたが、他の紙器やプラスチック容器でも同じように『設計』には『サンプル』の作成が重要になってきます。材料の違いや作る物の大きさによってサンプル作成にかかる時間は変わりますが、設計をしたらサンプルを作って確認、再調整の流れは変わらず行います。

この記事を通して、プラシーズの紙器やプラスチック容器に興味を持たれましたら、ぜひお気軽にお問い合わせフォームまたはお電話にてお問い合わせください。満足度の高い製品を作るため『設計』と『サンプル』の関係のように、積極的にお客様との関係を築かせていただきます。

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