化粧品開発の流れとは?企画の方法から容器の調達まで解説します!

化粧品開発の流れとは?企画の方法から容器の調達まで解説します!

皆さまは化粧品の開発の流れをご存じでしょうか。

化粧品について、「頻繁にチェックしている!」という方は多いと思いますが、化粧品が商品になるまでの開発の流れは意外と知られていません。

今回の記事では、化粧品開発の流れと、容器選びのポイントについて説明します。

オリジナル容器のリードタイム短縮

化粧品開発の流れとは

化粧品開発の流れ

まずは、化粧品開発の流れを商品企画の立ち上げから店舗への納品まで簡単にご紹介いたします。

化粧品開発の流れ:企画

企画

化粧品の開発を始める前に、まずつくりたい商品の企画を立ち上げる必要があります。

化粧品に限らず、世に新しく出る商品を企画するには、商品のイメージを明確化して商品の輪郭を固めていくことが重要です。

化粧品の場合、最終的に商品を購買するのは個人の消費者です。
そのため、「消費者がどのような物事に興味を持っていて、どのような化粧品を求めているのか」を探る情報収集と分析が欠かせません。

手段としては、消費者へのアンケート調査やモニタリングなどが挙げられます。

消費者が求めている化粧品のイメージを把握した後は、化粧品を届けたいターゲット層を設定し、それに合わせて化粧品のコンセプトや仕様案をまとめていきます。

化粧品の企画案が固まったら社内の関係部署へプレゼンテーションを実施し、実現可能かなどを判断します。
化粧品の企画案が採用されることで商品化が決定し、開発へ進むことができます。

化粧品開発の流れ:開発~量産の仕様決定

商品化が決定すると、化粧品を具現化するための開発に移ります。

化粧品企画の段階では、ゼロの状態から商品の方向性を指し示すコンセプトや、最終的な商品としての仕様・概算スケジュール・コスト・プロモーション方法などを行ってきました。

しかし、化粧品の実用化に向けた具体性までは考慮されていない部分も少なくありません。
化粧品開発では、企画で提示した仕様のより詳細な部分を、工場の量産が実現できるレベルまでつくりこみ、仕様を確定していきます。

成分配合の設計・開発

成分配合の設計・開発

企画時に設定した成分や使用感・色味のイメージに合うように、化粧品の中身(バルク)の成分配合を設計します。

化粧品にはさまざまなカテゴリがあり、それぞれバルクで重視するポイントが異なります。
スキンケアであれば「保湿のために○○の成分を入れたい」、ポイントメイクであれば「企画時に設定した色味に合わせたい」といったように適切な処方をおこなっていきます。

このバルクを配合する成分によって、費用感や使い心地が変わってくるため、試作品の作成と試験・使用テストを繰り返しながら、条件に合った成分配合に近づけていきます。

容器や包装資材の選定・調達

容器や包装資材の選定・調達

化粧品の外観を決める容器は、企画の段階のイメージを再現するのにも欠かせません。
イメージ通りの容器をつくるため、容器メーカーにデザインに合致する容器や包装の手配を行い調達します。

化粧品の包装資材は、主に以下のものが挙げられます。

  • 化粧品のバルクを充填する本体容器…プラスチック容器、ガラスビン等
  • 化粧品の本体容器を入れる箱…キャラメル箱(折箱)、貼箱等
  • 封緘(ふうかん)シール…箱や容器の開封箇所に貼って、未開封であることを示すシール
  • 梱包箱…輸送時に商品を入れるダンボール箱

法定表示をチェック

法定表示

化粧品は、消費者が安全に商品選択できるための表示内容のルールが法律によって細かく決められています。

このような表示を法定表示といいます。

法定表示の制約のもと、商品のブランドイメージやバルクとの相性、コストに合うよう、化粧品の容器や箱などのパッケージはデザインされています。

このような法定表示を正しく印刷するためには、安定した印刷技術が必要になります。

化粧品開発の流れ:実生産~納品

実生産から納品

化粧品の仕様が全て決定すると、工場での実生産が始まります。

生産に必要な資材の入荷日程や、納品日までの生産リードタイムに合わせて作成された製造スケジュールに沿って生産が進んでいきます。

また、化粧品の場合は品質管理も厳格です。資材の受入や充填作業の前後に不良品がないかを厳重に管理することで、品質の高い化粧品が生産されていくのです。

容器の品質管理を例に挙げると、

  • キャップの開け閉めに問題がないか
  • 容器に寸法のバラつきや割れ、キズが無いか
  • 異物混入はないか
  • 印刷の内容に不備はないか

など、細かな品質基準が設けられ、これをクリアした容器のみが市場に流通することを許されます。

このように厳格な品質基準をクリアした化粧品は、さらに出荷検査を経て各販売店に届けられます。

化粧品開発の委託

ここまでご紹介した化粧品開発の業務内容は、その化粧品会社の組織構成や規模によって異なります。

バルクの開発は初期コストが高い

バルク開発コスト高い

バルクの開発には、製造ノウハウや大規模な設備が必要なため、初期投資が莫大になってしまいます。

大規模な化粧品メーカーは自社に開発設備を持っている場合もありますが、小規模な化粧品メーカーは参入することが難しくなってしまいますよね。

また、自社開発を行っている化粧品メーカーでも新規製品の開発には研究コストがかかってきます。

化粧品OEMメーカーへの依頼

化粧品のOEMメーカーは化粧品の開発・製造を受託専門で行う会社で、バルク開発に特化したメーカーも存在します。

近年では、化粧品の企画のみをおこない、開発・製造を化粧品OEMメーカーへ依頼している会社も多く存在します。

これにより、化粧品開発のノウハウが無い状態でも少ない数量から化粧品の製造販売を始められるようになるため、低コストからでも高品質な化粧品を開発することが可能になりました。

化粧品開発で重要な容器選び

化粧品開発の際には、つくりたい化粧品に合わせた容器選びが必要です。

ここからは、化粧品の容器にフォーカスして、選定のポイントをご紹介します。

化粧品容器の製造は容器メーカーへ依頼する

化粧品容器

化粧品に使用する容器や包装資材は、容器の専門メーカーから調達することがほとんどです。
化粧品容器は、バルクとの相性や希望するデザイン・形状によって、実にさまざまな種類があるため、容器メーカーの中にはマスカラ容器やコンパクトといった一部の化粧品カテゴリに特化した会社も存在します。

また、自社の充填設備を持っていない化粧品会社の場合は、充填を依頼している化粧品OEMメーカーが、包装資材の調達も一貫して請け負うことが多いです。

化粧品容器選びのポイント

容器メーカーによって、得意とする製品カテゴリや可能な加飾方法が異なるため、化粧品の容器を依頼する際には注意が必要です。

金型を作成する

金型

プラスチックでできた化粧品容器の成形方法は複数ありますが、どの方法でもプラスチック樹脂を容器の形に成形する際に、金属製の金型が必要になります。

もし「この世に一つだけのオリジナル形状にしたい!」という場合は、新規で金型を設計・作成することが必要です。

初期投資費用が高くなり、初回の納品までのリードタイムが長くなる等のデメリットがありますが、繰り返し金型を使えるなどの資産性もあるため、長期的に見るとメリットが大きくなります。

カタログから選ぶ

あらかじめ容器メーカーが保有している金型の中から、希望に合った形状を選択する方法もあります。
その場合、初期費用は少なくなりますが、希望の形状にあった容器の取り扱いがある容器メーカーを探す必要があり、他社の製品と形状が同じになってしまうデメリットがあります。

つくりたい容器の形状やコスト・生産スケジュールと比較して、最適な容器メーカーを選択しましょう。

イメージ通りの加飾をする

加飾

化粧品容器には印刷や塗装をはじめとした、さまざまな加飾方法があります。

化粧品容器に加飾をする理由として真っ先に挙げられるのは、ブランドイメージや商品のデザインに沿った美粧性や世界観を与えるためでしょう。

また、容器表面のキズや劣化を防止する、正しい法定表示を行うという機能面においても、安定した加飾はとても重要です。

容器メーカーによって可能な加飾方法が異なるため、こちらも事前の打合せで確認する事が大切です。

▼容器の加飾方法については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
【プロが解説】加飾とは?塗装の基礎知識からよくある失敗まで徹底解説! – 株式会社プラシーズ (pluseeds.co.jp)

プラシーズで取り組んでいる化粧品容器の開発

化粧品容器の企画・開発時には課題がつきものであり、化粧品容器も例外ではありません。
そんなお客様の困りごとを解決するために、容器メーカーでの化粧品容器開発への取り組みも必要不可欠です。
プラシーズでは、新規の環境対応材料や新規構造を取り入れた容器の開発にいち早く取り組んできました。

環境配慮材料

環境配慮材料

近年では、化粧品容器にも環境対応を求める声が強くなりつつあります。
しかし、環境対応への考え方や求める対応策に明確な正解はないというのが難しいところです。
プラシーズでは、バイオマスプラスチックや生分解性プラスチックといった材料を使用した化粧品容器の開発や検討を幅広く進めることで、化粧品容器としての品質と環境配慮の両立に取り組んでいます。

▼25%以上のコストカットに成功したエコ材料はこちら
老舗プラスチックメーカーの挑戦~年間100t廃棄されていたプラスチック原料を再利用し製品化へ~ – 株式会社プラシーズのプレスリリース

紙製口紅容器

紙製口紅容器

紙製口紅容器は、紅の繰出し部分に紙が51%含まれた材料であるマプカを使用し開発された口紅容器です。
マプカで成形することにより、可燃ごみとして分解せずに廃棄することが可能です。
長年化粧品に携わってきたプラシーズの製造ノウハウにより、マプカの高い成形難易度を乗り越えて実現しました。

▼紙製口紅容器の開発秘話はこちら
世界初!紙として販売・廃棄できる口紅容器。パーツを減らして省資源化し、さらなるエコを目指す – 株式会社プラシーズ (pluseeds.co.jp)

貼箱と合わせたトータルパッケージのご提案も可能!

貼箱と合わせたトータルパッケージ

プラシーズでは、プラスチックの他に貼り箱などの紙器の製造も承っています。
それぞれ社内での一貫設計が可能なため、写真のように容器と容器の形状に合わせた一個函をセットでご提案することも可能です。

そのほかにも、プラシーズHP内の事例紹介ページでは、お客様の課題解決に向けた化粧品
容器の開発事例を多数ご紹介しています。
事例紹介 – 株式会社プラシーズ (pluseeds.co.jp)

おわりに

今回の記事では化粧品開発の流れについてご紹介いたしました。

プラシーズでは、化粧品容器の製造から高品質な加飾までを一貫して行っております。
お困りごとがございましたら、プラシーズHPのお問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。

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