木箱をパッケージメーカーが解説!木材の種類から選び方のポイントまで
木箱と言えば、高級品のパッケージやインテリアなどに用いられ、収納機能だけでなく美しさや頑丈さも魅力的なアイテムです。
今回は、そんな木箱に使われる木材や選び方のポイントまで、パッケージメーカーであるプラシーズからご案内いたします。コストを抑えるためのご提案もしておりますので、是非最後までご覧ください。
木箱って何?
木箱とは、主に木材を使用して作られた箱のことを指します。木箱は、その頑丈さや重量感、自然な風合いが特徴で、さまざまな用途で利用されています。
こちらはプラシーズの実績品で、高級包丁の木箱です。通常のパッケージで販売されている包丁と比較しても高級感を感じます。
木箱の特徴と用途
具体的な木箱の用途としては、物品の収納や運搬、商品の包装や陳列、家具の一部としての収納スペースなどに使用されているほか、贈答用の箱や、アート作品の展示用の箱、茶道具や日本刀など貴重品を収納するための特殊な箱もあります。
他の材料でできた箱と比較して耐久性に優れており、再生可能な自然素材で出来ているため、適切に管理された木材であれば環境にやさしい点も特徴的です。
組み立て方
木箱を組み立てる方法のひとつに「かんざし留め継ぎ」という手法があります。
かんざしのようにして木材同士の接着面を増やすことで、より頑丈な木箱になります。また、釘などを使わないため、美しい見た目に仕上げられます。
かんざし留めに使用される木材は強度が求められるため、桜のような堅い木材が一般的に使われており、組み立て方によっても木箱の特長は大きく変わってきます。
木箱の選び方
木箱といえば、まず「桐の箱」を思い浮かべる方が多いかと思いますが、どのようにして最適な木材を選べばよいのでしょうか。
多くの木材がある中で、木箱の材料を選ぶ際に着目するべき点を解説します。
価格
木箱の価格は、材料の種類や加工方法によって異なります。桐の木材は一般的に高価ですが、他の木材や合板を使用した箱もあります。予算に合わせて適切な価格帯の木箱を選ぶことが重要です。
耐久性
木箱の耐久性は、材料の質や加工の丁寧さによって左右されます。頑丈な木材は加工が難しく、価格が高くなる傾向にありますが、しっかりとした作りの木箱を選ぶことで、長い期間にわたって使用することができます。
美しさ
木箱はインテリアの一部としても利用されることがありますので、美しい外観を持つ箱を選ぶことも重要です。桐の箱は淡いクリーム色の美しい木目で、日本の伝統的な美しさを演出することができます。
保湿性
木箱は中の物品を保護する役割も担っています。特に食品などの保湿が必要な品物を収納する場合は、木材の保湿性を考慮した箱を選ぶことが望ましいです。桐は吸湿性・放湿性に優れており、箱の中に入っているものを乾燥や湿気、カビなどから守ることができます。
防虫効果
木箱は防虫効果も期待できます。特に桐の箱は天然の成分により、虫の忌避効果があります。虫害が心配な場合は、桐の箱を選ぶことで保管物の安全性を高めることができます。
環境への配慮
木材はカーボンニュートラルな特性を持つ一方で、過度な森林伐採は環境に悪影響を与えてしまいます。FSC認証木材などの適切に管理された材料を使うことで、より積極的な環境配慮が可能です。
木箱に使われる木材の種類
木箱は、材料によってその風合いを大きく変えることができます。
代表的な木材の特長を下記にそれぞれまとめました。
桐(キリ)
長所: 軽くて丈夫、さらに防虫性や防湿性に優れています。また、滑らかな表面を持ち、加工しやすいことから木箱ではよく使われる木材です。
短所: 他の硬木に比べると強度がやや低く、傷がつきやすいです。
杉(スギ)
長所: 杉は質が軽く、防虫効果もあります。また、色味が美しく、年月と共に深みが増すことから、様々な用途に使用されます。
短所: 他の硬質な木材に比べて、傷がつきやすいです。
桧(ヒノキ)
長所: 桧は耐久性と防虫性があり、湿度を調整する性質があります。また芳香性が高く、高級感を演出できます。
短所: 価格が高くなる傾向にあります。
松(マツ)
長所: 松は質が硬く、強度が高いです。また、耐久性に優れているため長期間の使用に耐えられます。
短所: 他の木材に比べて重く、加工が難しい場合があります。
樫(カシ)
長所: 非常に強く、耐久性に優れています。また、深い色合いと美しい木目が特徴的です。
短所: 硬度が高いため加工が難しく、製造コストが高くなります。
桜(サクラ)
長所: 色合いが美しく木目が細かいため、見た目を重視する箱に適しています。日本文化のブランド力があり、伝統的な商品の箱にも用いられます。
短所: 高価であり、大量生産に向きません。
栂(ツガ)
長所: 栂は硬くて耐久性があり優れた防腐性があります。また美しい木目が特徴的です。
短所: 高価であり、また加工が難しいです。
樺(カバ)
長所: 硬くて丈夫で、加工が容易です。美しい色味と木目があります。
短所: 日本では手に入りにくい場合があります。
木箱の形状も様々で、四角形、長方形、正方形、円形など、用途に応じて様々な形があります。木材の加工のしやすさやコストを考えて、適切な材料を選ぶ必要があります。
木箱の歴史
木箱は、人類が道具を作り始めた古代から存在しています。現在見つかっている中で最も古い木の箱は、エジプトのピラミッド内にある木製の宝石箱と言われており、紀元前2,500年頃に作られたと考えられています。
ヨーロッパの木箱
中世ヨーロッパでは、木製の箱が重要な道具として使用されており、金属加工技術が未発達だった時代には、木製の箱が貴重品や文書を保管するために用いられていました。また、木製の箱は、食料品や衣服などを保管するためにも広く使用されていました。
日本の木箱
日本でも、古代から木の箱が使用されており、国宝や重要文化財に指定されている木製品も多く存在します。平安時代には、貴族の暮らしに欠かせない道具として、木製の箱が使用されました。また、茶道や盆栽などの文化が生まれると、これらの道具を保管するための木製の箱が多く作られるようになりました。
現代の木箱
現代では、木の箱はさまざまな用途に使用されています。贈答品や高級品の包装、家具の一部としての収納スペース、輸送用のパレット、アート作品の展示用の箱、音響機器や家電製品の収納ケースなど、多岐にわたる用途があります。
桐箱と猫の意外な関係
桐は日本で神聖視されている木であり、神様が住むとも言われています。一方、猫も桐の木に登ることができるとされ、神様に近い動物とも考えられています。このような観念から、猫が「猫の皿」「猫の茶碗」「猫と金魚」「猫と庄屋」などの古典落語で主役や脇役を演じることもあります。
古代から親しまれてきた「桐箱」や「木箱」は現代でも多くの場で目にしますが、特に注目すべきはペット業界です。ペット関連グッズの市場規模は1兆円を超え、その中でも猫関連の商品が特に成長しています。ペットシート、猫砂、シャンプーなどの商品が揃い、生体+サービスの分野ではペット業界市場規模の約50%を占めています。
このような成長産業だからこそ、様々なサービスや商品が販売されています。例えば、ペット用シャンプーの容器から、ペット用のセレモニー用の箱まで、でも多くの問い合わせを受けています。
木箱のコストを抑える方法
プラシーズでは木箱のメリットや高い品質はそのままに、コストを抑える方法ご提案しております。
突板の木箱
突板(つきいた)とは集成材やMDFなどの比較的安価な合成材に、薄く裁断した木材を接着し、一枚の板にしたものを指します。一般的には、木材の表面に高品質の材料を貼り合わせることで、木材の風合いを保ちながら、強度や耐水性を向上させるために使用されます。
無垢材のような、天然の木材を直接加工する場合に比べて、貴重な木材の模様や手触りをそのままに、コストを抑えることが可能になります。
まとめ
今回は木箱の選び方や材料、歴史についてご紹介いたしました。
製品のパッケージとして、プラスチックや紙製のものがよく用いられますが、「木箱」も表現方法の一つとして選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
プラシーズでは木箱のような製品パッケージを製造しております。ご相談などはお問い合わせフォームまたはお電話よりお気軽にご連絡ください。お問い合わせ - 株式会社プラシーズ
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