ダイレクトブロー成形機導入 ~日々進化していくプラシーズのブロー成形~
皆さま、こんにちは。いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
株式会社プラシーズでございます。
2023年も残りわずかになりましたが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
プラシーズの90年以上の歴史を持つブロー成形ですが、この度、新しいダイレクトブロー成形機を佐野工場に導入いたしました。
今回は、新しいダイレクトブロー成形機、ダイレクトブロー成形についてお話しできればと思います。ぜひ、今後のご参考にしてください。
ダイレクトブロー成形とは?
ダイレクトブロー成形とは、ペレット状のプラスチック原料を加熱し、溶かした樹脂を押し出すことで、円筒状のパリソンを成形します。それを金型内に入れて、空気を吹き込んで成形する成形方法です。
メリット・デメリット
メリットとしては、金型の部品数が少ないので、比較的安価で製品を製作できるのがメリットです。仮に新製品を検討したいとなった時に、ネックの1つになるのは金型コストですので、イニシャルコストを抑えられるのは非常に大きいです。
また、上記より小ロット多品種生産に向いております。
デメリットとしては、強度が低いことです。大容量になってくると、少し高い場所から落とすだけでも簡単に割れてしまうことが多いです。現在は成形後に二次処理を施したり、設計を工夫するなど改善はされていますが、内容量によって、ダイレクトブロー成形にするかどうか判断されるお客様も多くなってきています。
製品例
私たちが普段目にしている物では、飲料水のペットボトル、化粧品や医薬品の容器。目に見えない部分だと、自動車のダクトなど幅広い業界で使われています。
プラシーズは化粧品メーカーのお客様が多いですが、家電メーカーや雑貨メーカー等、化粧品業界以外のお客様からもお問い合わせを頂いております。
新しいダイレクトブロー成形機導入!!
プラシーズは9月に新しいダイレクトブロー成形機を佐野工場に導入いたしました。
これからの活躍に期待です!
変更点
従来機と比較しての主な変更点はというと、基本的な性能は据え置きで、スクリューやクロスヘッド、トーピードなどの内部部品が新しくなりました。いわば、マイナーチェンジです。
※トーピードとは、成形機内にある部品で、樹脂が均等に加熱され、押出しされるようにする重要な部品です。
成形機のマイナーチェンジの重要性
長年良い製品を作り続けていく上で、成形機のマイナーチェンジは非常に重要です。
例えば、プラシーズは設立当初、スクリューは材料毎に使い分けておりました。理由としては、材料によって物性が違うため、その材料に合ったスクリューでないと、正確に供給、混錬、押出しができず、最悪壊れてしまう懸念があるためです。
それこそ昔、ガラス容器の置き換えで、透明性の高いPET容器を製作してほしいと依頼があった際に、PET向けの成形機ではなかったため、なかなか思うように成形できず歯がゆい思いをしました。
今ではスクリューは最新のものを導入し、PET、PP、PEなど、どの材料にも兼用できるようになりました。
兼用できると他に何が良いのかというと、スクリューの取り換えを不要にすることができ、各成形機、特定の材料しか成形できなかった点がクリアできるので、お客様からのご依頼に対し、効率的に成型機を稼働させ、納期短縮につなげることができます。
また、過去の話になりますが、ダイスを新しくしました。
ダイスは容器の肉厚を調整する肝になる部品です。このダイスが古いままだと、バリソンコントロールが思うようにできず、設計に制約が出てしまいます。そのような中で上記を新しくすることで、今ではバリソンコントロールを40段階調整できるようになりました。
結果的に設計に自由度が増し、お客様により幅広い提案をすることが可能となりました。
プラシーズのダイレクトブロー成形の強み
ここで私が思うプラシーズのダイレクトブロー成形の強みをいくつか紹介したいと思います。
低コスト
ダイレクトブロー成形を行うには金型が必要であり、留め型を製作するお客様もいらっしゃいますが、プラシーズでは自社型を保有しており、金型費レスで容器を製作することが可能です。
製品カタログがございます。ぜひご覧ください。
↓
製品一覧 – 株式会社プラシーズ
また、長年使われていない古い金型を改造し、新型にすることで費用を成形費のみにし、コストを抑える提案もしております。
短納期
ダイレクトブロー成形機は、佐野工場に5台全数保有していますので、納期調整がしやすいです。そのため、短納期での対応も可能となっております。
また、前述のとおり、材料毎に使い分けていた成形機のスクリューを兼用できるスクリューに取り換えたり、成形~印刷ラインの一体化など、設備改善することで納期短縮につながる取り組みも日々検討しております。
安定した品質
プラシーズは設計~納品までワンストップで対応しております。
一般的に各工程ごとに外注依頼すると品質管理が難しくなりますが、プラシーズでは1社で管理できますので、安定した品質で製品を納品することが可能です。
製品事例
プラシーズのダイレクトブロー成形の製品事例について紹介したいと思います。
パール樹脂を使った四角の化粧水向け容器
パールは1粒1粒が球体ではなくチップのような形状のため、樹脂が上手く混ざり合わないとウェルドが目立ってしまうという欠点がありました。化粧品の容器は意匠性が重要なため、この欠点は致命的でした。
そこで、ウェルドがPL(パーティングライン)に来るように、かつ樹脂が上手く混ざり合うように成形条件を設定することで、ウェルドが目立たない意匠性の良い容器を作り上げることができました。
自動車用ガラスコーティング剤容器
こちらの製品の形状は卵型のイメージで、部品構成はキャップ、ボトル、肩パーツ、フェルトの4部品構成です。ボトルの腹部を押すと液が出てくるので、フェルトでガラスに塗って使用します。
こちらで苦労した点は落下強度でした。少し高い場所から落とすと、底部が簡単に割れてしまいました。
そこで底部の強度を上げるために、底部に形状変更を加えました。その後、見本品を製作し同じ高さから落としたところ問題なく改善することができました。
どちらの事例もプラシーズの90年以上の歴史で培ったノウハウがあったからこそ、完成できた製品だと思っております。
今回は2つとも画像を載せることができませんでしたが、もし現物を見てみたい場合は是非弊社ショールームにお越しください!
本社:ショールーム
〒111-0052 東京都台東区柳橋1-2-12 柳橋Mビル2F
まとめ
ここまでダイレクトブロー成形について説明させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
プラシーズでは今後もより多くのお客様のご要望に応えられるよう日々、設備導入や自動機の自社製作、成形条件の見直しなど取り組んでいきたいと思っております。
難しいと思われる案件でも、まずはお気軽にご相談ください。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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