CASE STUDY26

複数パーツをストレッチブローで一体成形。繋ぎ目をなくし、高い密閉性と強度、洗練されたシームレスな意匠を実現

複数パーツをストレッチブローで一体成形。繋ぎ目をなくし、高い密閉性と強度、洗練されたシームレスな意匠を実現

液漏れや乾燥が致命傷となるマスカラ。「パーツの繋ぎ目をなくし、密閉性や強度を高めたい」というお客さまの要望に、ストレッチブロー成形で肩部と胴部のパーツを一体化することを提案。しかし、小型で細口、試験管状のマスカラ容器をブロー成形するのは、プラシーズの技術を持ってしても、簡単ではありませんでした。

機能性はもちろん、見た目の美しさにもとことんこだわった今回のプロジェクト。開発の経緯やプラシーズならではのこだわり、苦労したことについて話を聞きました。

ブロー成形により複数パーツを一体化したい

—-お客さまからどのような依頼がありましたか?

音波接着容器

▲リニューアル前。肩部と胴部がセパレートされたマスカラ容器

マスカラ容器の製造依頼です。デザインをリニューアルするにあたり、「胴部と肩部の2パーツからなる本体を、ブロー成形で一体化したい」といったご要望でした。

理由としては、パーツの接着部分の密閉性や強度が不安定であること。また、胴部と肩部に段差があって見た目がすっきりしないため、できるだけ無駄を削ぎ落として、洗練されたシームレスなデザインにしたい、といった狙いがありました。

—-ブロー成形で一体化するにあたり、苦労した点はありますか?

もっとも難しいのは、肩部に合わせ目(PL=パーティングライン)が出てしまう点です。

マスカラのように小型で細口、かつ試験管状の容器を、合わせ目を出ないようにブロー成形するのは難しく、しかも蒸着するので、成形によるムラや歪みがより目立ってしまうんです。

プリフォームの段階から金型仕様に独自の工夫

—-どのように課題を克服しましたか?

ブロー成形には、ダイレクトブローとストレッチブローの2種類あるのですが、今回はストレッチブローを採用しました。

ストレッチブローとは、プリフォーム(射出成型品)を延伸しながら膨らませる成形法で、寸法精度や落下強度の高さ、見た目もキレイなので高級感を演出することができます。

プリフォームから金型に工夫

肩部に合わせ目が出ないように、プリフォームの段階から金型の仕様を工夫したり、成形条件を最適化するためにトライ&エラーを重ねたりと、満足のいく仕上がりに達するまで、かなりの労力を費やしました。

その甲斐あって、ブロー成形では難しいとされる、合わせ目のないすっきりとした外観に仕上げることができました。

実は、肩部の合わせ目を出したくないというのは、あくまで当社の技術スタッフのこだわりでして、お客さまからは期待以上の仕上がりに、高い評価をいただいています。

コスト削減、納期短縮、環境にもやさしい

—-ストレッチブロー成形により一体化するメリットは何ですか?

コスト削減や納期短縮化、環境にもやさしい

肩部と胴部の繋ぎ目がなくなるので、密閉性や強度が格段に向上します。また、各パーツを接着する2次加工が不要になるので、コスト削減や納期短縮化も期待できます。

工程数や樹脂使用量が減ればCO2排出量が削減し、環境にやさしいものづくりにもつながりますよね。

—-今後の課題や展開についてお聞かせください。

今回のプロジェクトは、細口でありながら胴部を十分に膨出させた形状の容器となります。今までにない特徴的な形状は、マスカラやアイライナーに限らず、細口容器の分野で幅広い使用展開が期待されます。

今後もさらに精度を高め、仕上がりの“美しさ”にとことんこだわっていきます。

無料サンプル請求

その悩みプラシーズに相談してみませんか?

  • 自社一貫生産によりワンストップ・トータルパッケージでご対応
  • 理想の容器のための独創的な「企画・提案力」
  • 1932年創業だからこそできる技術力であらゆるニーズに対応可能

お電話でのお問い合わせ

03-6858-3561

受付時間:平日 10:00 ~ 17:00(土日・祝日除く)

\ 定期的に記事を読みたい方へ /

メルマガ登録でいち早く記事の更新情報や製品情報をお知らせいたします

メールマガジンのご登録
はこちらから