CASE STUDY26
複数パーツをストレッチブローで一体成形。繋ぎ目をなくし、高い密閉性と強度、洗練されたシームレスな意匠を実現
液漏れや乾燥が致命傷となるマスカラ。「パーツの繋ぎ目をなくし、密閉性や強度を高めたい」というお客さまの要望に、ストレッチブロー成形で肩部と胴部のパーツを一体化することを提案。しかし、小型で細口、試験管状のマスカラ容器をブロー成形するのは、プラシーズの技術を持ってしても、簡単ではありませんでした。
機能性はもちろん、見た目の美しさにもとことんこだわった今回のプロジェクト。開発の経緯やプラシーズならではのこだわり、苦労したことについて話を聞きました。
ブロー成形により複数パーツを一体化したい
—-お客さまからどのような依頼がありましたか?
マスカラ容器の製造依頼です。デザインをリニューアルするにあたり、「胴部と肩部の2パーツからなる本体を、ブロー成形で一体化したい」といったご要望でした。
理由としては、パーツの接着部分の密閉性や強度が不安定であること。また、胴部と肩部に段差があって見た目がすっきりしないため、できるだけ無駄を削ぎ落として、洗練されたシームレスなデザインにしたい、といった狙いがありました。
—-ブロー成形で一体化するにあたり、苦労した点はありますか?
もっとも難しいのは、肩部に合わせ目(PL=パーティングライン)が出てしまう点です。
マスカラのように小型で細口、かつ試験管状の容器を、合わせ目を出ないようにブロー成形するのは難しく、しかも蒸着するので、成形によるムラや歪みがより目立ってしまうんです。
プリフォームの段階から金型仕様に独自の工夫
—-どのように課題を克服しましたか?
ブロー成形には、ダイレクトブローとストレッチブローの2種類あるのですが、今回はストレッチブローを採用しました。
ストレッチブローとは、プリフォーム(射出成型品)を延伸しながら膨らませる成形法で、寸法精度や落下強度の高さ、見た目もキレイなので高級感を演出することができます。
肩部に合わせ目が出ないように、プリフォームの段階から金型の仕様を工夫したり、成形条件を最適化するためにトライ&エラーを重ねたりと、満足のいく仕上がりに達するまで、かなりの労力を費やしました。
その甲斐あって、ブロー成形では難しいとされる、合わせ目のないすっきりとした外観に仕上げることができました。
実は、肩部の合わせ目を出したくないというのは、あくまで当社の技術スタッフのこだわりでして、お客さまからは期待以上の仕上がりに、高い評価をいただいています。
コスト削減、納期短縮、環境にもやさしい
—-ストレッチブロー成形により一体化するメリットは何ですか?
肩部と胴部の繋ぎ目がなくなるので、密閉性や強度が格段に向上します。また、各パーツを接着する2次加工が不要になるので、コスト削減や納期短縮化も期待できます。
工程数や樹脂使用量が減ればCO2排出量が削減し、環境にやさしいものづくりにもつながりますよね。
—-今後の課題や展開についてお聞かせください。
今回のプロジェクトは、細口でありながら胴部を十分に膨出させた形状の容器となります。今までにない特徴的な形状は、マスカラやアイライナーに限らず、細口容器の分野で幅広い使用展開が期待されます。
今後もさらに精度を高め、仕上がりの“美しさ”にとことんこだわっていきます。
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