CASE STUDY22
蝶番ピンが消えた⁈ 常識をくつがえすコンパクト誕生!設計力がデザインの可能性を広げる
コンパクト容器の顔といえば、蓋。しかし今回は、側面に注目してください。通常のコンパクト容器は蝶番ピンが邪魔して、側面全体にデザインを施すのが困難でした。
「だったら蝶番ピンを見えなくすればいい」という、これまでの常識では考えられない発想からはじまった今回のプロジェクト。ピン穴が消えたことで加飾できる範囲が広がり、デザイナーの創造力を掻き立てるコンパクトに仕上がりました。
果たしてピン穴はどこに消えたのか⁈ 開発担当者に苦労したことや創意工夫した点について話を聞きました。
~ココに注目!~
◉容器の中枠と外側を一体化させて蝶番ピン穴を内蔵
◉側面の加飾範囲が拡大。他製品との差別化が可能に
—-お客さまからどのような依頼がありましたか?
大手メーカーさまから「コンパクト容器の側面に文字彫刻を加飾したい」とのご相談でした。
見栄えをよりよくするために、できるだけ広範囲にわたって加飾したいという、デザイナーからの強い要望がありました。
—-デザイナーの要望に応えるために、課題となったことはなんですか?
通常コンパクト容器は、蓋と体を開閉させるために「蝶番ピン」を入れています。側面にこの蝶番ピンの穴があるため、文字彫刻を施せる範囲が狭くなってしまいますし、見た目にも美しくありませんよね。
今回のデザインコンセプトを最大限に生かすには、この蝶番ピンの穴が見えないようにすることが一番の課題でした。
—-蝶番ピンが見えないようにするために、どのような創意工夫をしましたか?
コンパクト容器の構造設計を見直しました。中枠と外側(文字彫刻部分)を一体にすることで、蝶番ピンを内部に入れ込むことに成功。しかし、従来とは真逆の組立工程になったことから、ピン打ちが安定せず、ピンが折れたり、製品をキズつけてしまうなどのトラブルに悩まされました。
・通常のコンパクトの組立工程
体/中枠組立→ボタン組付→蓋/本体組立(蝶番ピン打ち)
・蝶番の見えないコンパクトの組立工程
蓋/体組立(蝶番ピン打ち)→ボタン組付→中枠組立
また、コンパクトの仕様がボタンを押すと蓋が自動で開くようにスプリングを内蔵していたので、なおさら穴の位置を合わせることが困難に…。
構造設計の開発に加えてピン打ち機を改造するなど、試行錯誤の末に製品完成に至りました。
—-今後の展開についてお聞かせください。
今後もお客さまのご要望に応えられるように、試行錯誤を重ねていきます。デザイナーもプロなら、私たちもものづくりのプロです。お互いに知恵を出し合い、画期的な化粧品容器を世の中に出していくお手伝いを全力でさせていただきます。
そのために妥協することなく試作を重ね、納得のいくご提案ができるように、日々努力していきます。
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